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09月09日-02号

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  1. 高山市議会 2021-09-09
    09月09日-02号


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    令和3年第5回定例会令和3年第5回高山市議会定例会会議録(第2号)=======================◯議事日程 令和3年9月9日(木曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問      7番 谷村 昭次君     13番 岩垣 和彦君     15番 倉田 博之君     21番 中田 清介君      4番 松林  彰君     16番 松山 篤夫君  ================◯出席議員(22名)   1番             石原正裕君   2番             笠原 等君   3番             西本泰輝君   4番             松林 彰君   5番             中谷省悟君   6番             伊東寿充君   7番             谷村昭次君   8番             西田 稔君   9番             沼津光夫君  10番             榎 隆司君  11番             山腰恵一君  12番             渡辺甚一君  13番             岩垣和彦君  14番             中筬博之君  15番             倉田博之君  16番             松山篤夫君  17番             上嶋希代子君  18番             車戸明良君  19番             水門義昭君  20番             橋本正彦君  21番             中田清介君  22番             小井戸真人君  ================◯欠席議員(なし)  ================◯欠員(2名)  23番              24番              ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長              國島芳明君  副市長             西倉良介君  企画部長            田谷孝幸君  総務部長            平野善浩君  財務部長            上田和史君  市民活動部長          西永勝己君  市民保健部長          橋本 宏君  農政部長            林 篤志君  林政部長            東野敏朗君  商工労働部長          倉畑政之君  飛騨高山プロモーション戦略部長 清水雅博君  水道部長            中垣内一君  総括支所長           嶋田恵市君  上宝支所長           川原幸彦君  教育長             中野谷康司君  教育委員会事務局長       田中 裕君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長            川田秀文君  次長              二村伸一君  自動車運転職員         櫻本明宏君  ――――――――○――――――――     午前9時31分開議 ○議長(中筬博之君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(中筬博之君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、西本泰輝議員橋本正彦議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(中筬博之君) 日程第2 一般質問を行います。 質問の順序及び時間につきましては、議会運営委員会の決定に従って、それぞれ許可したいと思いますので、御了承願います。 それでは、谷村議員。   〔7番谷村昭次君登壇〕 ◆7番(谷村昭次君) それでは、ただいまより9月定例会の一般質問を始めさせていただきます。 今回は、新たな過疎対策に向けてということで、去る4月には、新たな過疎である特別措置法も施行されています。 高山市では、一部過疎地域の指定の要件に入らない国府、丹生川、一之宮を除く6つの支所エリアが、一部過疎というところで指定に該当しています。 面積では、全体の4分の3でありますが、一方では、令和3年4月現在の人口比率でカウントしますと、人口比で13%、世帯比率で12.1というところで、面積に対する相関からいうと、非常に低い比率の現状になっております。 今回の一般質問では、去る令和2年4月に総務省が出されました、この特措法の前提となる過疎問題懇談会での議論と考え方、加えて、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の背景、いわゆるそこを物差しにしたこれまでの市の過疎地域に関わることについての根源的な捉え方と方向性、そして今後の支援の配慮について確認させていただきます。 地域ごとに人口が少数であっても、そこに域内、域外を含めての新しい力を持つ資本、企業、人が加わって地域資源をさらに高度に活用し、都市にはない価値を蓄積していくことに、過疎地域の今後がかかっているというふうに私は考えております。 そうしたところから、3つの事項について質問させていただきます。 事前に通告しておりました3つ目の特措法の第36条に関わるところについて、少し通告した36の条文が間違っておりましたので、ここで改めて修正をさせていただくということになります。 それでは、1つ目の質問として、まずは、全体像としての過疎対策を考える範囲というか、エリアに関するところから始めさせていただきます。 まずですが、新たな過疎地域の持続的な発展の実現では、人口を単純に増やすという発想は捨てざるを得ずという見解が、懇談会でも述べられています。 総務省の過疎対策の概要における過疎地域の目指すこれからのコンセプトは、先進的な少数社会、説明としては、多自然型低密度居住地域と言うそうですけれども、こういったコンセプトを改めて掲げられています。 一概に過疎という言葉ですけれども、逆から読めば、まばらが過ぎる、現在で言うと、密じゃなくて疎であるというところが少し過ぎるということで過疎、過疎という言葉を頻繁に用いているわけですけれども、そういった、まばらが過ぎることだけで効率的ではないという捉え方から、改めて考える必要があるのでないかということを考えています。 持続的な発展の実現に向けたこの懇談会の目標には、次の4つを掲げておられます。 条件不利性を改善すること、2番目に、安全な暮らしの確保をすること、3番目に、地域資源を生かした内発的発展を促すこと、最後になりますけれども、豊かな個性の伸長であるというふうに述べられています。 そこで、高山市における過疎地域の捉え方についてでありますけれども、現在も出ております計画等や、これまでの八次総合計画の後期の地域まちづくりの捉え方からは、支所単位でくくっておられますけれども、私は密接な生活文化に根づく川筋の文化圏などのもっと小さな単位で地域の施策計画を展開する有効性についての捉え方と考え方の見解はということでありますけれども、質問させていただきます。 この根底になるのが、先ほど来、繰り返しています総務省の過疎地域懇談会の中でも、市町村においては、もっと小さな単位で捉える過疎対策ということは非常に有効でないかということを改めてこの物差しからも言っておられますので、そうしたところから、今ほど申し上げたその有効性と捉え方、考え方の見解をお聞きします。   〔7番谷村昭次君質問席へ移動〕 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) おはようございます。お答えさせていただきます。 今議会に上程をさせていただいております高山市過疎地域持続的発展計画につきましては、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に基づいて指定を受けている単位でございまして、かつ第八次総合計画の策定において、地域のまちづくりの単位である支所の範囲を地域の単位と捉えて策定することとしています。 ただし、支所のくくりでもって、地域の特性や生活圏域が明確に区分できるものではないということは認識をいたしております。 その上で、各地域に総合支所的機能を配置していることやコミュニティー形成の経緯などからも、支所地域は1つの基本的な区域と考えられますが、各種計画や様々な政策を展開していく上では、山間地の点在する集落など、より小さな単位でゾーニングしたり、あるいは事業の焦点化を図ること、また川筋の文化圏などにおいて、地域の枠を超えてお互いに補完し合うことなど、必ずしもその支所単位にとらわれることなく、柔軟性を持って取り組むことも必要であると考えております。 したがいまして、具体的、個別的な課題に即して、柔軟な対応をしてまいります。 ○議長(中筬博之君) 谷村議員。 ◆7番(谷村昭次君) 今ほど市長から御答弁いただきました。 今の議案としても出されております市町村計画についても少し触れられたようでありますけれども、もっと小さな単位というところの概念というか、そういう思いというものは確かにあるなということを改めて確認をさせていただいておりますし、八次総合計画の後期の地域まちづくりの中によく見ると、ここにも地域の設定ということが事前に述べられて、私どももその説明を聞いております。 そこにも、今市長が言われたような産業や居住環境、交通環境等の状況や特性の異なるエリアが、同一地域内にも特性が異なるところがあるという課題もある中で、地域設定の在り方の議論を深められる柔軟対応を図るということは、従前に述べられていただいておるわけですけれども、そういったところが、願わくば、諸計画においてももう少し鮮明になるというか、具体化されることが必要でないかと。考えはあるということだけでなくて、形にしてもらう、それを行政計画にしっかり、様々なところにもう少し落とし込んでいただくというようなところを確認できない限りは、単なる図るということでとどまってしまうという懸念を持っています。 先ほど人口の話もしましたが、既に6つの過疎地域の一部においては、後期計画で人口の推定値というのが書かれておりまして、そこで令和7年、2025年の推定値を書いてあるわけですけれども、よくよくちょっと最近の数値で見比べてみると、既に6地域のうち一部の地域は、人口数についても、令和7年の2025年の数値を大きく下回っておられる地域も現実にあります。 もう見通し以上に、マンパワーだけ下がっていった先進的な少数社会という捉え方もあるわけですけれども、人によるマンパワーにおいても既に見込みを下るような現実を捉えると、やはりもう一押し、二押し、三押しも必要でないかということを改めて考え述べさせていただく中で、捉え方を少し見直していただきたいなというふうに感じています。 そこで、2番目の質問とさせていただきます。 今の総務省の過疎問題懇談会の中で説明されている要旨には、8つの施策視点が示されております。後の特措法に行くと、この8つの施策が12というふうに、さらに細分化されておりますけれども、もともとの施策視点の原点は、懇談会ベースで8つということであります。 少しその8つを紹介させていただきますけれども、1つ目は、地域連携での人材育成、2番目は、つながりの創出、3番目は、働く場の創出、4番目は、再生可能エネルギーの活用、次は、革新的な技術の活用、さらに、ここでも小さな拠点の推進、そして広域連携と県による補完、さらに、目標設定とフォローアップをしていくんだという8つの施策視点となっています。 あえて8つにされたところは、国としても非常に重要であるというふうに考えられているということが、後、特措法段階で12に細かく分けられる前段階としては非常に重要であると思っています。 そうした中で、先ほど来、お話ししていますけれども、市内でも、いわゆる3方面と私どもはよく申すわけですけれども、3方面での6つの支所地域が過疎指定になっているが、先ほども少し紹介ありましたけれども、市町村がつくる過疎計画に基づいて推進はしていくものの、現実として、先ほどの人口のことを少しあえて言いましたけれども、あらゆる面で厳しさは増しておられる対象地域になっています。 そこで、今日答弁側に2人の支所長がおみえでありますけれども、身近に日々、市民と対面する中で、本当に持続的な発展の実現と、支援をすることが単に過疎基本計画に基づくものだけではあってはならないというふうに私は思うわけですけれども、そうしたところから、現場をよく知られる支所長もおみえであることから、見解と言わずにあえて所見ということで、思いや考え方というところを現場の声として少し確認をさせていただきたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 嶋田総括支所長。   〔総括支所長嶋田恵市君登壇〕 ◎総括支所長(嶋田恵市君) おはようございます。 市では、これまで、過疎地域の対策として働く場の創出など、様々な取組を関係機関や地域と連携しながら進めてまいりました。 しかし、本市に限らず、全国的にも少子高齢化や人口減少には歯止めがかからず、地域からは、団体組織の担い手不足を危惧する声や地域の衰退、あるいは将来の暮らしに対する不安を口にされる住民の皆様もおられます。 住み慣れた地域でいつまでも安心して生活していただけるよう、支所では住民の皆さんの声にしっかり耳を傾け、まちづくり協議会、学校、事業者の皆さんと連携し、議員が仰せの8つの視点も取り入れながら、対策を講じてまいります。 特に、郷土愛を育む教育等による地域リーダーの育成を始め、外出支援を必要とされる方への移動手段の確保、また地域資源を活用した新たなサービス、産業、商品の開発、さらにはインターネットによる販路の拡大などに重点を置き、過疎地域の持続的発展を目指すよう取り組んでまいります。 ○議長(中筬博之君) 谷村議員。 ◆7番(谷村昭次君) 今ほど嶋田総括支所長から少し所見をいただきました。 今仰せられたことを少し私なりに集約すると、これからいろいろな意味で投資をできるような地域づくりをどう整えていかれるのかということを、少し考える切り口として、今3つほど述べられたというふうに思っています。 今議案として出されている市町村計画の中には、これまでのほとんどが踏襲される内容のみであって、これからこういった過疎地域に新たな投資をどうしていくのか、それをもって地域をどうつくっていくのかというところが、なかなか目新しいものというものは見当たらないということには、少し残念な気がしていますけれども、今ほど言われた幾つかのことを細かく積み上げていくよりという側面でおっしゃったんだろうというふうに受け止めておりますけど、そういった積み上げ方式もありますけれども、積み上げるだけではなかなか時間もかかる、時代のニーズとも合わなくなるという課題も多々あるというふうに思っていますので、ぜひとも、そういう意味で新たな投資という、投資というのは人の投資もありますし、資金の投資もありますし、様々視点はあると思うんですけれども、そうしたところに多くの期待を寄せておりますので、お願いしたいと感じます。 続いて、少しこれから具体的なところについて、先ほど来、8つの施策視点というところにも書いてありました、再生可能エネルギーの活用というところに少しこだわって質問をさせていただきたいと思います。 あくまでも一例でありますけれども、地域における再生可能エネルギーの利用の推進ということは、改めて大きな過疎地域のこれからを考える意味において重要な切り口であるというふうに捉えられています。 そうした中で、新しくできた過疎特措法においては、新たに適切な市町村、高山市はということですけれども、適切な配慮をするという義務規定が盛り込まれているというふうに解釈しています。 そこにおいては、移住定住から農林水産業、中小企業者に対すること、観光と交流、就業、情報の流通、地域交通、地域の旅客輸送、生活環境、保育サービス、教育の充実、地域文化の振興、そして再生可能エネルギーの利用促進、自然環境の保全や再生、農地の活用、あるいは国有林野の活用、そして全般的に規制の見直しということで、この支援のための適切な配慮についてであります。 第36条というところが再エネのところになっておりますけれども、再生可能エネルギーの利用を推進していくというところにおいて、少し読み上げますけれども、前段で少し説明がありますけれども、後段のほうに、再生可能エネルギーの利用が地域経済の発展に寄与することに鑑みて、再生可能エネルギーの利用の促進について適切な配慮をするものとするという条文になっています。 こうしたところから、市内で最も多くのポテンシャルを有する上宝地域についてでありますけれども、具体的に、再エネもいろいろな種類がありますけれども、地熱利用について、その捉え方と方向性についてを確認させていただきます。 地域におかれましては、様々な地熱利用に関わる取組が既に行われていますけれども、今後、発電能力が2,000キロを超えるようなものが、少なからず3つぶら下がっております。 それぞれがそれぞれに地域と域外地方が連携しながらという、いずれもその形態を取っておられます。3つそれぞれ進捗度は異なっておられるようですが、着実にその計画と実行というところが、少し目の前に迫ってきている状況であります。 しかしながら、やはり地熱においては、目に見えないというところから、既設の温泉の枯渇の問題、あるいは補償の問題等々を捉えて、地域の中でも少し感覚の捉え方の温度差があるという状況をお聞きします。 10年ほど前は、もう総じて全てそれはならずという状況でありましたけれども、ここ10年ほどの地域経済の疲弊、人手の減少等々から、こういった取組ももう地域資源の活用ということから逃れられないということで、多くの賛成もある。 一方で、先ほど言ったような懸念事項から心配されるというような現状でありますけれども、これからは高山市においても、そこで資本を出す、予算をつけるということでなくて、人としての関わり、人的関わりにおいて行政たる中立な立場におられる方が、それぞれの相反する意見をしっかり聞いて、何が足りて何が足りないのか、あるいはという、そういうところについて、やはり第36条にうたっているように、地域経済の発展に必ずや寄与する問題であるところから、適切な配慮が、この特措法の物差しからも改めて求められていると思います。 これ以外にも、こういった関わりを求められる様々な国からの提言や県レベルでの取組の方向性も打ち出されておられるところでありますけれども、この過疎対策における切り口から、改めて今少し事例を挙げましたけれども、今後の対応の捉え方と方向性というところについて、一体どういうお考えであるのか。これまでどおり、全て傍観なのかというところではもう駄目だというふうに私は思っているわけですけれども、そこの方向性について改めて確認をさせていただきます。 ○議長(中筬博之君) 川原上宝支所長。   〔上宝支所長川原幸彦君登壇〕 ◎上宝支所長(川原幸彦君) おはようございます。 地熱エネルギーポテンシャルを有する奥飛騨温泉郷では、地熱発電によって売電による収入が見込めるほか、域内への電力供給といったエネルギーの地産地消、排熱を利用した新たな産業の誘致といった様々なメリットがあることから、地域における地熱発電の導入を積極的に促進してまいりたいと考えております。 一方で、地熱発電のための新たな温泉掘削によって、既存の温泉の湧泉量減少や枯渇といった悪影響を懸念され、掘削に反対される声があるなど、事業化に向けた合意形成に課題があることも承知しております。 市では、地熱発電のための温泉掘削に関し、学識経験者と温泉事業者とで構成されます岐阜県自然環境保全審議会温泉部会オブザーバーとして出席したり、開発事業者が開催する地元説明会に同席するなど、事業実施に向けた議論の場に立ち会ってまいりました。 今後、当該地域の課題などについて現状を把握するとともに、地域の住民に理解され、地域の発展につながるようなエネルギー利用が実現できるよう、関係者の皆様と共に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(中筬博之君) 谷村議員。 ◆7番(谷村昭次君) 今ほど一定限の答弁いただきましたけれども、今後もそうした関係者間でのお話を努めるということですけれども、そんな程度では駄目だと思っているので、再質問しますけれども、行政が主体となった中立的な地域協議会をもう設立しなければならない状況だというふうに改めて思うわけですけれども、その努めるということの中において、そういう概念はお持ちでしょうか。 ○議長(中筬博之君) 川原上宝支所長。   〔上宝支所長川原幸彦君登壇〕
    上宝支所長(川原幸彦君) 今ほどの議員の御質問の件でございます。 具体な関わりにつきましては検討を進めてまいりますが、本日、議員からいただいた言葉をしっかりと受け止めさせていただいて、努めてまいりたいと考えております。 ○議長(中筬博之君) 谷村議員。 ◆7番(谷村昭次君) 少し積極的な論調をいただいたということですけれども、先ほど答弁された川原支所長が、県のいわゆる温泉審議会と称するもののことについて、オブザーバーであるというようなことを言われましたが、私が物差しとした特措法の第36条とは関係はありませんけれども、岐阜県が言われる温泉審議会の中における合意形成の中にも、明確にそこの選択肢は考える余地はあるというふうに、随分前から、平成の26年ぐらいですかね、一度、そういった再エネルギー利用など、大規模に関わる議論の調整ということで、既にそこも明文化されています。 その当時は、審議委員の中に市長も入られていたような時代背景がありますけれども、現在においては、あくまでもオブザーバーであり、審議会委員でないという立場からも、一定限、間接的にそうしたいろいろな意見を調整する機能は、審議会におけるオブザーバーにとどまらず、地域の中におけるオブザーバーとしての職責は、この第36条の適切な配慮に私は考えられるというふうに思っています。 このまま何も具体的に取り組まないと、先ほど言った、ぶら下がっている2,000キロを超える3つの巨大事業についても、大きな期待がある中で、このまま断ち切れるというようなことも、一方も懸念します。 あわせて、そうした既存資源の枯渇や補償というところについても、相当な探査というか、そういうものの精度を上げない限り、一方で無理なんだということがありますけれども、いずれにしても、互いが背を向けている状態では、一向にそこは交じり合わないものですから、ぜひとも交じり合うための市としての適切な配慮に基づく施策の実行というのは、非常に急がれているというところの見解を申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(中筬博之君) 以上をもって、谷村議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(中筬博之君) 休憩します。     午前10時04分休憩  ――――――――○――――――――     午前10時15分再開 ○議長(中筬博之君) 休憩を解いて会議を続行します。  ―――――――――――――――― ○議長(中筬博之君) 次に、岩垣議員。   〔13番岩垣和彦君登壇〕 ◆13番(岩垣和彦君) それでは、通告に基づきまして、一般質問させていただきます。 コロナ禍における対策と方向性についてを伺います。 まず1点目として、新型コロナによる経済不況の収束をいつ頃と判断をしているのか。また、経済回復への道筋をどう描いているのかをお伺いいたします。 世界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症によって大きくさま変わりをいたしました。病気そのものによる脅威はもちろんでありますが、かつて経験したことのない経済苦境に立たされているのも紛れもない事実であります。 バブル崩壊以降、一極集中やコスト削減によって目先の効率性に偏重した経済、自助を強調するあまり過度な自己責任社会、行き過ぎた行政改革で公的業務を担う組織や人を切り詰めてきた小さ過ぎる行政、バブル崩壊以降、この30年ほどで世界的に構築された新自由主義的な傾向に偏ったこの経済システムが、この新型コロナ感染症によっていかに脆弱であるかを、あったかを明らかにすると強く感じております。 市内では、昨年3月から、新型コロナ感染症により外国人観光客の姿が消え、4月から緊急事態宣言が発出、その後も度重なるまん延防止措置などを発出され、今回もまた緊急事態宣言の発出で、今月30日まで延長する方針。 多くの観光客でにぎわう人影が消えて、既に1年半が過ぎています。この間、連休中に観光客でにぎわう姿も一時的にあったものの、1年半で消え去った個々の経済損失を取り戻せるわけもなく、観光関連事業者を始め、飲食、小売、サービス業などでは、個々の企業努力の限界を超えた経済状況に陥っています。 これ以上、長期にわたる不況が続くことは、感染症とは別に人の死活問題であり、こういうときに、まさに方向性を導き出せるのは行政だけであります。 このような実態は、市としても十分に把握されているからこそ、様々な経済対策を実施されていることも誰もが承知しております。 ただ、何より安心材料は回復の時期であります。回復の時期さえ目星がつけられれば、そこまで何とかして耐え抜く意思が生まれますが、今はそれが全く見えません。 そこでお聞きするのは、この不況の収束をいつ頃と見ているのか。また、経済回復への道筋を市としてどう描いておられるのか。いつまでに是が非でも回復しなければならない市の強い意思についてお尋ねをいたします。   〔13番岩垣和彦君質問席へ移動〕 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) お答えさせていただきます。 新型コロナウイルス感染症が全国的に蔓延している状況下でございます。お尋ねの今後の予想というのは大変難しいものでありまして、一地方自治体が行うことの限界もあろうかと思うところでございます。 お話がありましたように、緊急事態宣言も今月まで延びるというような状況になっておりまして、去年の2月とか3月の頃は、1年たてば何とかなるのでないだろうかというような予測をされておりましたけど、1年たっても、それからその後はオリンピックが済めばとかという話も出てきたり、いろいろなことをしておりますけれども、本当に予測ができない状況であります。 そういう中で、我々は前からお話をさせていただきますけれども、ウィズコロナ社会での適応戦略と収束した後の社会を前提とした成長戦略、その両面から、御紹介がいろいろありますけれども、施策を実施してきたところでございます。 中でも、ウィズコロナ社会での適応戦略では、感染の防止、生活の維持、経済の回復、この3本の柱を立てさせていただいて、社会情勢が刻々と変化する中で、特に、経済の回復では約1年半にわたって、その時期その時期に求められており、また必要であろうと判断した具体的な施策を議会にお諮りし、9回にわたり、総額178億9,000万円余の補正予算を編成して対応してきたところでございます。 しかしながら、今、内閣府で発表されておりますように、街角景況としては少し低調になってきていると、持ち直しがされているという見込みが下方修正されているような状況でありまして、我々のいろいろな施策についても効果を絶対的に評価できるものではないというのは、私たちも感じているところでございます。 したがいまして、いつ頃までに、いつ頃かというそういう判断は、我々としては大変難しく、できない状況でありますけれども、我々といたしましては、適宜にその施策を打たせていただいて、先ほど申し上げました3本の柱がしっかりと立つように努力をさせていただくつもりでございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(中筬博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 市長から御答弁いただきました。 誰もが難しいことは分かって通告をさせていただいています。私は、こういった状況を市民の皆さんが本当に困った苦境を経験している中で、市として当然、国の関係、考え方もありますけど、市民を守る一番身近な行政体として、やはり私たちはこのポストコロナは大事でありますが、このコロナ禍をどうやって乗り越えていくのかという今喫緊の課題の中で、本当に死ぬか生きるかの局面を迎えている、このことは本当に死活問題です。 ぜひとも、こういったいろいろ語ってもなかなか答えが出るものでないことは分かっているんですけど、だからこそ、やはり行政としてやらないといけないこと、だからこそ、市民が困っている分、行政が腹をくくって、ここまでにどうするのかという方向性はやはり示すべきこと、そのことは非常に私は大事でないかな、こういうときだからこそ、私は強くそういうことを思います。 そこで、1点だけ伺っておきたいのは、行政だけではこういったところは難しいことはよく分かっています。ですので、こういったときであるからこそ、官民で再生に向けた道筋をどう描くかという、そういった対策チームが本当に必要ではないかなということ思いますけど、どうお考えでしょうか。 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 今お尋ねになりました件につきましては、国においても、その専門のチームを医療の分野と経済の分野に分けて、あるいは県においても、いわゆる感染防止の分野と、それから医療の分野ということで専門家会議というようなものも設置をされまして、対応されているところでございます。 今、高山市においても、そういう分野ということで御提案がございました。ただ、今、高山市としては、商工労働部が経済の部分については責任を持って対応させていただき、医療の関係、コロナの感染防止については、健康推進課のほうが責任を持ってやらせていただくという形になっております。 それを総合的に対策の本部を立ち上げまして、連携させてやらせていただいております。具体的な手法について、今御提案がございましたことについては、念頭に置きながら対応をさせていただきます。 ○議長(中筬博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 誰もが道筋が見えませんので、あらゆる多くの人たち、直接関わる事業者の皆さん当然ですが、そういう人たちと話す機会や、そういうものを持ちながら、何か道筋は見えるはずです。それが成功するかどうかは結果論ですから、そんなことを後で言ったところで、仕方ないと思うんです。でも、やはりやることが一番大事だ、私はそういうふうに思っていますので、ぜひともそういった方向でお願いをしておきます。 それと、今朝の新聞に、11月には行動自粛の緩和をするような考え方が載っておりましたが、なかなか元には戻らない。行動自粛緩和でも、やはり様々な制限がありますから、そういうことを考えると、おととしの100%に戻るようなことはあり得ないだろうというふうに思うのが前提だと皆さん思っておられると思うし、そのためにどうやってその道筋をつけていくのかというところは、事業者の皆さん、考えないといけないことは当然ですけれども、そういった方向で事業者の皆さんが方向転換をする道筋もつけていただきたいというふうに強く思いますので、よろしくお願いいたします。 次の質問です。 コロナ不況は、いつ回復するか大変不透明であります。こういったことが常態化することは十分に考えられます。こういった状況下では、これまで以上に高山の歴史、伝統、文化の素地を一層磨くチャンスと捉えて、また、豊かな自然資源を生かした素材生産に産業政策を大幅にシフトし、ポストコロナに備える準備を着実に整える時期が来ていると考えています。 令和3年度中に、次年度以降に向けた市政のかじ取りの方向性を大胆に転換するべきと考えるがということで通告をしております。 これまでグローバル化が進み、世界的に安価な労働力をもって、低コストで調達できるものを国外に求めることは当然とされてきましたが、コロナによって世界的に被害をもたらすことになれば、衣食住を柱に、人々が日常に必要なものを手に入れることさえ不可能となります。マスクの不足やウッドショックの例がその代表例であります。 今後、急激に進展する食料品やエネルギー関連などの値上げによって起こり得る品不足が、人々の日々の生活を困らせる結果になるのではないかと心配をしております。 市においても、これまでも歴史や文化、伝統に力を傾注し、その効果がインバウンドの増加につながったことは事実と思っています。 ポストコロナを見据え、市域全体に広がる歴史、文化的な財産や農業や林業を始めとする素材、これまで以上に重要視する施策の展開が絶対に必要な時期に来ていると考えます。 これらに対する事業予算の考えや新年度予算への対応を現段階でどう捉えておられるのか、お伺いをいたします。 ○議長(中筬博之君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 新型コロナウイルス感染症により、観光産業やものづくり産業が大きな打撃を受けている中、議員仰せのとおり、それらの産業を下支えし、深い関連性がある農林業など豊かな自然資源を生かした素材生産などの産業のさらなる成長を促していくことは、重要であるというふうに捉えております。 ポストコロナ社会に備えて、農林業など地域資源を活用した産業をしっかりと成長させていくための取組をより一層進めるということが大切であるということは、認識しております。 観光産業やものづくり産業との結びつき、そういったものをより強固に結びつけていくための取組を進める、そういったことで、持続可能で、より付加価値の高い産業となるよう、関係団体とも協議しながら取組を加速化してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(中筬博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) ぜひとも普通の加速ではなくて、急加速でお願いをしたいと思っています。 先ほども申し上げましたが、ここのグローバル化というのは、生産性を向上させ、安価な労働力で大量生産が可能となり、利益を大幅に見いだせるグローバルな大企業が有益であることはもちろんです。 また、都市部にはそういった企業が集積しておりますので、大変有利でありますが、地方が置かれている状況とは全く乖離があります。 高山が生き残っていくというのは、世界的な環境の変化に巻き込まれない持続のための方策は、まさに地域の素材を生かしたまちづくりに転換する方法しか残れる道はないと私は考えています。 それが、歴史、伝統、文化、農業、林業を軸にして、コロナ禍で明らかになった不況に打たれ強くするため、地域基盤の足腰を強くすることが急務であります。 高山地域の歴史、文化、伝統の醸成は、今よりさらに強く、支所地域の歴史資源などもこの時期に確立することが絶対に必要であります。今だから、コロナ禍だからできること、やるべきことが明確になっているはずであります。 農林業にしても、食料、エネルギーの根幹として捉えれば、相当な期待を市民、事業者、土地所有者に持たせることは可能であります。衣食住がグローバル化によって振り回されることになれば、市民生活はますます大混乱に陥ってまいります。 グローバル化など、外的要因に振り回される施策は、できる限りこの期に改めて、それはあくまでも地域住民が生き生きした人々の生活の結果として、入り込み観光客が増えたり、そういったところに結びつけないと、高山のような地方都市の持続が危うくなるのではないかというふうに捉えていますので、ぜひともよろしくお願いをいたします。 次の質問に入ります。 新型コロナによって、大変経済的格差が増しております。特に所得の減少が著しいのは、パートや契約労働者などの比較的低所得者層に影響が出ております。一方で、リモートワークなどが可能な、いわゆるホワイトカラーと言われる人たちなどの高所得者層には、比較的影響が少ないのが事実でもあります。 コロナ前から企業規模や地域間、収入によって格差は生じていましたが、一層この格差が拡大する可能性を踏まえて、格差是正をするための方策についてお伺いをいたします。 コロナ禍において、従業者の解雇を防ぐため、雇用調整助成金の内容が拡充され、市内でも多くの従業者がその対象となっております。 市も一部助成しながら取り組んでおられますけれども、コロナ禍が1年半を過ぎて、今日この頃では、雇用調整助成金は後ほど支払われますので、事業者にとっては人件費を立て替えなければなりません。その立替えも今はままならなくなっております。 収入がない中で、さらに社会保険料の負担も増しています。また、昨年据置き1年のコロナ融資を受けた事業者は、今はもう既に返済が始まっておりますので、返済に苦慮する方もおられ、追加融資も大変厳しい状況になっています。 これらによって、資金繰りのめどが現実的に立たなくなり、やむを得ず雇用者を解雇の方向に向かってしまう現実が、既に多く起きています。 こうした実態により経済困窮者が増加し、格差が拡大しています。こういった状況を市としてどう是正する考えがあるのか、お伺いをいたします。 ○議長(中筬博之君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 新型コロナウイルス感染症は全国的に急拡大しており、観光産業を基盤産業とする当市におきまして、特に観光客など人流抑制の影響が大きい宿泊業でありますとか、運輸業、対面サービスを行う小売業などへの経済的影響が大きくなっているというふうに捉えております。 さらに、新型コロナウイルスが変異を繰り返しながら拡大し、現在も市内に緊急事態宣言が出されるなど、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、ワークサロンたかやまにおけるコロナ関連の相談におきましては、休業・解雇に関する内容が大半を占めており、業種別では、宿泊、飲食、生活関連サービスが多く、就業形態別ではパートタイムが多い状況となっております。 このような状況において、ウィズコロナ社会における適応戦略の着実な推進とポストコロナ社会を前提とした成長戦略の展開を基本的な考え方としながら、取組を進めているところであります。 具体的には、議員も申されました、国の雇用調整助成金に対する市の上乗せ助成により、休業手当の支払率に起因する労働者の所得減少の抑制を図るとともに、事業者の事業再構築、それから生産性の向上などの各種施策に現在取り組んでいるところでございます。 今後は、ポストコロナ社会を見据えて、新たな業種や職種がさらに市内に創出され、兼業や副業なども含めて、時間や場所などの制限を受けない柔軟で多様な働き方の選択が可能となるよう、これまで以上に、例えば起業家の育成でありますとか、多様な産業の誘致なども含めて、または市内の産業の強化も含めて、総合的に取り組んでいくことが重要であるというふうに考えております。 ○議長(中筬博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 今御答弁いただいたように、1つのところで事業所やそういうところに就職をして、1つの仕事だけで、コロナを通じて、これから食べていけるのかというのは、本当に不透明な時代になりました。 ダブルワーク、トリプルワーク、副業、兼業、起業家の育成、週末企業などもあります。そういったところも視野に入れながら、人々の生活を成り立たせていかないと、現状のままには戻れないという思いが強くしております。 ぜひともそういったところにも力強い支援をお願いしながら、高山市としてそういう方向にも道しるべがあるんだというところを示していただきたい。こういうときだからこそ、ぜひともお願いしたいと思います。 それと、もう一つ大事なことは、やはり福祉政策です。人は、生まれてから亡くなるまで、学校を出て、就職をし、結婚をし、住宅を建てて、そして子どもが大きくなり、子どもを学校に出させ、そして子どもが結婚し、孫ができ、そういったサイクルを繰り返します。 最終的には、自分たちが働けなくなったとき、また病気になったとき、そして親の介護を必要としたとき、子育ての環境はもちろんです。そういうところの施策が行き届かないと、当然、課題が常々、1人の人生には巻き起こりますから、介護のためにやむを得ず離職を余儀なくされる、そういったところでは、襲いかかってくるものが別の次元で出る、こういうものも含めて、ぜひとも対応、幅広い対応ですけど、介護認定をされる場合はいいですけど、介護認定されるまでの間、どこも受入先はありません。そういったところでも本当に仕事ができるのか。働く意欲はあるけれども、働けない状況、子育ても同じです。そういったところもぜひとも併せて充実を、さらに充実をお願いしたいと思います。 次に、4点目の質問です。 事業者にとっては、まさに来月から最低賃金が引き上がります。さらに、来年の10月には、従業者101人以上の事業者に、週20時間以上で、賃金が月額8万8,000円以上の従業員には社会保険への適用の拡大、さらに2024年10月からは、この適用拡大が51人以上の規模まで拡大をいたします。 これによって事業者の社会保険料の負担が増大をいたします。パート労働者は、比較的コロナによって影響を受けた飲食、小売、宿泊業に多く見られます。今後、事業者には負担増となり、就労者にとっては、社会保険料の負担による収入減のための離職も想定され、さらなる人材不足に拍車をかけることも考えられます。 こういった事業者に対する一層の負担増、雇用環境では、ますます進む人材不足を懸念されますけれども、これらの状況に対し、市はどのような施策を講じられるのか、お伺いしたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 最低賃金の引上げや社会保険の適用拡大は、事業者においては、人件費、社会保険料の企業負担が増加し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中で企業の大きな負担となりますが、パートやアルバイトなど短時間の勤務の労働者のセーフティーネットが強化されるということで、コロナ禍で加速する傾向にある兼業、副業、またはテレワークなど、従業員の柔軟で多様な働き方が促進されるなど、労働者の働き方に大きく影響を与えるものというふうに捉えております。 市としましては、昨年も行いましたが、働き方改革セミナーの開催などを丁寧に行うことによって、兼業や副業、テレワークなど多様な働き方について、事業者及び労働者がより適切な判断ができる、そういった環境づくりに努めるとともに、事業者における社会保険の適用拡大への対応、それから業務改善、生産性向上など関連した取組などについて、商工会議所や商工会、またはその他のよろず支援拠点などと連携して、丁寧に周知してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(中筬博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 周知をしていただくことは非常に大事なんですが、結局、その前に事業者が本当にもつかどうかというところまで来ているということを念頭に置いていただきたいと思います。 コロナによって売上げが減少した事業者にとっては、ダブルパンチ、トリプルパンチです。これによって、事業者が廃業に追い込まれる可能性は十二分にあります。 また、これらの施策というのは、本当に私に言わせれば、中小企業潰しでありまして、地方都市の持続発展を妨げるものでしかないというふうに私は考えています。 先ほども言いましたけれども、こういった社会保険料の負担を含めて、起業家の育成ということを先ほど倉畑部長もおっしゃいましたけれども、こういったことが非常に大事な時代に入ってきています。 こういったことを境に、産業の在り方やビジネスの方法が大幅に転換される時代にあっては、相対のビジネスが困難となったり、おうち時間が長くなれば、各家庭の様々なニーズに沿ったビジネスが展開される可能性も十二分に秘めています。ぜひとも、時代の変化を敏感に察知した上で、施策の展開を求めたいと思います。 それでは、最後の質問であります。 新型コロナによる感染拡大は、現在、高山市でもワクチン接種を進められて、徐々に充実をしてきております。感染に対する懸念は少しずつ和らいでいくものと捉えています。 しかし、国、県、市による経済対策を施される中にあっても、先ほどから申し上げておりますように、市中経済はじり貧の状態が続いております。 今後、度重なる緊急事態宣言、また、まん延防止措置の継続によって事業者の資金繰りは日を追うごとに悪くなり、倒産の連鎖を危惧する状況にまで至っております。 市長は、市民の希望をつなぐため、改めて力強い明日につながるメッセージを発信することが必要だというふうに思います。市民に希望の光を示すべきと考えますが、ぜひともそういったメッセージを発信していただきたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 長引く新型コロナウイルス感染症の影響は、お話がございますように、様々な業種や業態の事業者の皆さんに及んでおりまして、こうした状況は今後さらに続くというふうに思っておりまして、さらに深刻な状況が起こってくるのではないかというふうに捉えております。 先ほど申し上げましたように、今月、内閣府で発表された景況報告もそのようなことを示しているというふうに感じております。 こうしたことを踏まえまして、今議会に提案しております補正予算は、いわゆる長引くコロナ感染症の悪影響の中で、いかにして事業者の経営を維持してもらうか、そして、そこにお勤めになってみえる従業員の皆さんの雇用をどうやって守っていくのかということに重点を置いて編成をさせていただきました。 今後も、この考え方は中心にしながら対応してまいりたいと思います。そのためには、お話しになられましたように、あらゆる業種の皆さん方と情報を交換しながら、適切な内容をしっかりと把握して、迅速に努めて実施していくということが大事だというふうに考えておりますので、その点については、しっかりと担当部局を含めて、市全体で取り組んでまいりたいというふうに思います。 1つの考え方でございますけれども、経済の再生というのは、全国的にワクチン接種が行き渡っていく、このことが1つの目安になるのではないかというふうにも考えております。 そのためにも、市内において、県のワクチンの配給のこともございますけれども、希望される方が全員、早く接種を完了していただけるような努力もさせていただきたいと考えているところでございます。 繰り返しますけれども、大変皆様方には我慢をしていただいております。現在の緊急事態宣言下において対象となっている事業者の皆さんには、営業時間の短縮だとか、それから事業の休業というようなこともお願いをいたしております。 この我慢を、我々も痛みをしっかりと共有しながら、次の希望に向けて、我々もしっかり努力をさせていただきますので、いましばらく時間をいただければと感じております。 以上でございます。 ○議長(中筬博之君) 岩垣議員。 ◆13番(岩垣和彦君) 難しいことは、冒頭から申し上げているように、分かっておりますが、事業者や市民の皆さんは本当に死活問題になっている、そのことは十分に把握されての御答弁だと思います。 ぜひともそういった市民の痛みも御理解をいただいておると思いますけれども、いま一度十分に御理解をいただいた上で、やはり市の覚悟、そういうものを持って何としてでも救うんだ、そういう意味合いで、これからも施策の決定や計画に尽力をお願いしたいということをもって、私の一般質問を終わります。 ○議長(中筬博之君) 以上をもって、岩垣議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(中筬博之君) 休憩します。     午前10時50分休憩  ――――――――○――――――――     午前11時00分再開 ○議長(中筬博之君) 休憩を解いて会議を続行します。  ―――――――――――――――― ○議長(中筬博之君) 次に、倉田議員。   〔15番倉田博之君登壇〕 ◆15番(倉田博之君) 前回に続いての火葬場建設候補地の質問となります。 6月定例会後に、創政・改革クラブと任意の議員によって、それまで私どもに声を寄せられた方々から、さらに範囲を広げる中での任意の市民意見交換会を幾つかのグループ別に独自で複数回開き、あるいはそのほか個別にもコンタクトを取らせていただく中で、様々なお話を聞かせていただきました。意見交換会に来られなかった人の意見を後日預かって、伝えに来られた参加者もみえました。今回、そういった声を中心にお尋ねを組み立てております。 所管委員会の中でも、私は自分に届いた声をそしゃくし、調査して、結果として執行部の意には沿わない意見を数多く伝えてきましたけれども、前回の質問を少し我が身を冷静に振り返り、自分は何を理不尽と捉えてこのように行動しているのか、模索をしているところでありました。 そういった中で、意見交換を通じて、改めて自分がもやもやしていることの集約はこういうことであったと整理ができました。それが①であり、今回の結論であります。趣旨を分かりやすくするために、今回は結論から入らせていただきます。 ②が、整理の基盤となった市民の声、③以降が、自分が行政の都合と独断が候補地の絞り込みに作用しているのではないかという思いに至った要素という組立てといたしました。なので、①と②を併せて質問を始めさせていただきたいと思います。 ①新火葬場建設検討委員会の最終答申以後の市の責任において検討と選択を進めるプロセスは、極めて不自然だ。結論ありきでの強引な理論展開によって市民の疑念や願いを押さえつけていると憤っている市民が多いことを実感している。 答申3候補地の中で、最も市民が望んでいるのはどういった方向性であるのかを、行政の都合と判断ではなく、もっと丁寧に市民意識を調査し、議論を広げて反映していく考えはないのか。常に大萱候補地優先のえこひいきな理論展開であるということを、聞き取りをした全ての方々が強く感じておられました。自分たちが尋ねることに対する市役所の説明は少しも分からない。分かるのは、ただただ大萱で決定したいという前面にあふれ出る欲求の強さだけという声を伺ってきました。 ②です。 候補地絞り込みプロセスにおいて、パブコメや説明会における市民意見の対応や説明が非常に不親切で不十分。市民意見の取扱いについて、市が言い続けてきたことや所管委員会が付した意見とあまりにも乖離があると考えられるが、どうか。 皆さんにお聞きした個別の案件は、市でも御存じなのでここで紹介はいたしませんけれども、それよりも、皆さんが共通して言われることは、パブコメや様々な説明会などにおいて、意見や不信への市の対応の不十分さと不親切さ、これにまずは参加者の全員が不快感を示されております。 何を心配して、何を尋ねているのかを全く分かってくれようとしない。ちゃんと答えてももらえない。向き合って話しているのに、担当者の目に映っているのは、自分たちでなく、仕事を着実に終える計画だけのようだ。反映どころか聞く耳を初めから持っていないのだろうか。市の見解だけを言い放って、御理解願いたいで打ち切られてしまうのは、やりきれない。 例えば市内からの到達時間の差についても、受け入れられる距離であると考えるという返答、それは説明ではないです。遠いかどうかを判断するのは、職員なのか、市民なのか。利用者である市民が遠くて困ると言っているのに、受け入れられるはずだでシャットアウトしてしまうのはいかがなものなのか、そういった意見が噴出しています。 市は丁寧な対話を進める中で、様々な御意見を受け止めるとともに、地元住民や市民の理解が得られるよう取組を進めると言っておられました。 また、福祉文教委員会が付与した意見は、市の意思決定やそのプロセスには様々な意見がある。それを反映するように、福祉文教委員会の中でも様々な意見が出ている状況だ。それは聞かれたとおりなので、今後、新火葬場建設計画を進める上では最も重要視していただきたい。特に住民の方、あるいは広く市民の方々に対して誠意をもって説明責任を果たし、課題への対策、対応に当たっていただくことは必須の責務だというものです。市の対応はあまりにも乖離していないのか、お聞きをします。 市の決定に100%の理解や承諾が必要だとは思っておりません。しかしながら、本案件については、地元にも利用対象者にも理解を取り付けようとする誠意や努力が本当に不十分で、強引さだけが際立っていると。市民意見の聴取という事案を、単なる市の都合による手続と履き違えてはならない。今のような進め方で市民合意に至ったとするつもりであるならば、市民が主役と常々言われる行政方針は、もう一切信じることはできなくなる。調査して、結果的に多くの市民が魅力を感じた場所が明らかになれば、それがどこであろうとも、このままでは半永久的に続くかもしれない市中のわだかまりは解消するわけなので、多少予算を使ってでも、価値の高い取組だというふうに思います。 最も市民が望んでいるのはどういった方向性であるのかをもっと丁寧に市民意識を調査し、議論を広げて反映していく考えはないのか、お尋ねをいたします。   〔15番倉田博之君質問席へ移動〕 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) お答えさせていただきます。 まず初めに、この建設事業につきましては大変長い時間がかかっておりますし、一時、選定をお願いしようとしていた場所の取下げをさせていただいて、新たに白紙の状態から進めさせていただいたという状況は、御存じのとおりでございます。 そういう中で、この事業につきましては、新たにしっかりと市民の皆さん方の御意見等も集約しながら場所を選んでいただきたいということで、御案内のように、平成28年に有識者と市民の皆様合計43人で構成していただいた検討委員会を設置していただいて、以後、3年間に15回の全体会議、7回の現地視察、そして9回の部会などを重ねていただいて、令和元年6月に、3か所の候補地に順位をつけて選定をして、答申をいただいたというところでございます。 もちろんこの会議等については公開で行われております。選考の段階から、市民の皆さんにも参加いただき、最終答申後の市における検討においても、3件の候補地の決定や建設地の決定に至るまで、それぞれの段階で市民の意見をお聞きしてきたつもりでおります。 そこで、それは単なる手続であったのではないかというお話でございますが、そのようには思っておりません。ただ、プロセスの中でお示ししておりますように、市民意見を聞くという会話プロセスでお示ししておりますので、その段階に沿って行っていたということは事実でございますが、単なる手続を終えるというだけのつもりではございませんので、誤解のないようにお願いいたしたいと思います。 また、候補地絞り込みの進め方についても、市議会に御協議させていただいたり、市民説明会などを行いまして、私どもといたしましては、丁寧に皆さんの御意見を聞いて、取り組んできたつもりでございます。 また、一つ一つの御意見に対しても、私どもも検討を行わせていただき、その内容については、理由なども含めて、考え方を示させていただいたところでございます。 しかしながら、そのことについて、断定的な対応ではないかというようなお話でございますが、私どもは、しっかりとその面では丁寧な対応をしてきたと考えているところでございます。 以上のことから、所管委員会で付されました、特に住民、広く市民に対して誠意をもって説明責任を果たし、課題への対応対策に当たることとの乖離はあるとは考えていないところであります。 しかしながら、いろいろな御意見があるということでございますので、さらに地元住民の皆さんや周辺の皆さんとの丁寧な対話は進めてまいります。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) 市民検討委員の検討段階のことを言っているのではなくて、ここの文面にもあるとおり、最終答申を得られた後は、市の責任で、自らの責任で検討していくという部分が当然必要でありますし、初めから言っていた手順でありましたので、その部分の手順の中において、先ほど言ったようなことがあるのではないかという、そういう意見でありますので、そこのところは取り違いをしていただかないようにひとつお願いをしたいというふうに思います。 意見交換に参加されたお一人は、私たちにこう迫られました。先ほど御答弁でありましたけれども、高山の市役所は封建時代の代官所なのか。町民はお代官の言うことに唯々諾々と従うだけなのか。これは、もう私たちは答えに窮したことは言うまでもありませんけれども、そういう印象を持たれるような今現段階での説明会であるということです。その委員会検討時ではなくて、その後の説明会やパブコメに対する意見が、そういうふうに感じておみえになるということです。 これまで話題に上がっている宗教団体は、別件の自らの開発行為に当たって住民と丁寧なコンタクトを取っておられますし、議会に提出された資料によると、なかなか声を上げられない方々や少数派の皆さんの思いも考えて、教団独自で住民アンケートを取られ、その意向に沿う方向を何とか見いだそうとしておられます。自費で工事をされる民間までもがそこまでやっておられるわけです。 議員の大切な働きの1つが、アンケートに代わって様々な市民意見を収集して、行政に伝えることというふうに考えておりますけれども、その内容が疑わしいと言われるのであれば、市が独自にしっかりと意見把握をもっとしていくべきなんだろうというふうに思っています。 全ての事案をそこまでするべきというふうにも思っておりませんけれども、新火葬場は現行の火葬場の利用圏域に住まわれる全ての方々が、いずれは御利用になり、何代にもわたって利用していくものだというふうに思っています。 利用者の精神的な配慮も、長期にわたり、非常に重要なものとなる大切な施設であるのに、このままでは将来にわたってしこりが残ります。そうなっては市にとっても望ましい結末ではないはずです。 施設さえ完成すればそれでいいというものではないというふうに思っています。民間でできることを、この件に関しては、行政もしっかり手間と暇と予算もかけてやってほしい。候補地の地元だけに向けた形ばかりの説明でなく、先ほど市民の方にもと市長のほうからお知らせありましたけれども、アンケート調査なども行って、もっと利用圏域に住まわれる皆さんの潜在的ニーズを、パブコメだけでなくてもっと調査して、丁寧に拾ってほしいと、これは切なるお願いであります。よろしくお願いします。 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 私どもは断定的に、また予断をもって選定をして、それを強引に進めていくという気持ちは全然ございません。 ただ、先ほども申し上げましたように、3年間にわたって多くの方々が議論を重ねられ、そして意見を聴取され、そして現地も見られたりしながら出された結論というものも、やはりしっかりと受け止めなければいけないと思っています。 手間をかけ、費用かけというお話でございます。そういうことを、後戻りをするという意味ではございませんけれども、検討委員会の皆さんの御意見もしっかりとやはり受け止めながら対応はしていかなきゃいけないと思っていますし、先ほど申し上げましたように、今後も地元の住民の皆さんや市民の皆さんと丁寧な対話は進めてまいります。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) ありがとうございました。 検討委員会の役割といいますか、それは候補地を1つに絞り込むことではなくて、幾つかある候補をしっかりと調べて、その中から絞り込みをしていただけるということであったというふうに私は思っておりまして、その中で3つまで、本当に十分に精査をしていただきながら提案をして、提示をしていただいたわけです。 市としては、それをまた違う要素であるとか、そういったところから検討していくという上において、もう少し調査するべき部分があるのではないかという意見でございますので、お願いをいたします。 市と教団の関係性が絞り込みに大きな影響を与えているのではないかという趣旨をもって、私6月に質問しましたが、様々な方々と直接お話をさせていただき、また、いろいろな情報を得て、自分なりに組み立てる中では、不適切な関係とまでは言えないだろうという思いに現在は至っています。 少なくとも、教団側に作為はありませんし、むしろ市が教団の善意に乗じているだけの話なのではないかなという思いが強くなっています。 その意味を持って、再度確認をさせていただきますけれども、6月議会の市長答弁では、友好関係を結ぶに当たって、相手方から高山市にトラクターの寄贈をお願いされたが、お金がないので、ペルー名誉領事館に相談したところ、領事館が全て負担をしてくれたと。けれども、広い意味では、高山市がウルバンバ郡にプレゼントをしたという認識を、両方が持っているとの話でした。 つまり、私、俗な表現しか持ち合わせていないので本当に申し訳ないですけれども、ちまたでよく言われる、人のふんどしで相撲を取ったという事案だというふうに理解をしています。 この件に関して、行政経験者、会計業務に詳しい方など、何人もの方に見解を尋ねてみましたけれども、皆さん口をそろえて、会計処理としては思わしくないとの御意見でした。 実質は領事館からの寄贈であっても、現実に取り扱われている名義が高山市であるのならば、物品にしろ、運搬費用にしろ、一旦は市への寄附として収受し、その後相手への寄附や支出を行う処理が妥当なのではないかということでありました。 会計処理については、もう過去のことなのでどうこう言うつもりではありません。市の困ったときの教団頼みといった体質と体裁を繕ってなのかどうなのか、そういったことを秘匿しようとする行為が、教団との不透明な関係性と市民の目に映ってしまって、候補地絞り込みの強引な仕法に対しての疑惑とつながっていってしまう。李下に冠を正さずというのは、行政が保持すべき大切な誇りと覚悟であるはずです。 このことについて、見解と共に市の自省を求めたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) この件につきましては、6月の議会でも御答弁をさせていただいたとおりでございます。 重なるようで申し訳ございませんけれども、この寄贈されましたトラクターにつきましては、在高山ペルー名誉領事館が寄贈されたもので、高山市が費用を負担したという事実はございません。 調印式の前日の平成25年8月24日に開催されましたウルバンバ郡長との意見交換会において、トラクターについては、農業振興のため、在高山ペルー名誉領事館より寄贈されたことを私からも紹介をさせていただきましたし、調印式の翌日に名誉領事館からも、トラクターを寄贈したことを郡長に改めて説明されました。 私どもが、相対的に言って、前回の6月の回答で申し上げましたのは、ウルバンバ郡の皆さん方が、トラクターを御覧になられたときに、相対的に日本の高山というところからもらったものというふうに認識されるのではないかという発言はさせていただきましたけれども、そのことを高山市が送ったということの事実を裏づけるというような話で申し上げたつもりではございませんので、誤解のないようにお願いを申し上げたいと思います。 また、これらのことについて、名誉領事館と、それから駐日の大使館とのいろいろなやり取りもございまして、我々としてはそれらも一緒に考えながら事を進めさせていただいたということですので、御理解をお願いしたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) 御答弁をいただきました。そういうことなんだろうというふうに思ってはおります。そういう御答弁だろうというふうに思ってはおります。 4番に移ります。 教団への市有財産売却において、地方債残高償還に係る利息分が徴収されていなかったことについて、平成27年に監査委員から指摘を受けている。行為がルール違反ではなかった旨の説明はあったが、市民が利用している施設を廃止するに当たり、その取得に要した費用の一部を施設廃止の原因者である開発事業者でなく、市民の税金に負担を求めることとした市の判断は、当然徴収も選択肢にあった中で、一体どこに軸足を置いているのか。 こういった軽率な判断が、教団との不透明な関係性として市民の目に映り、火葬場候補地絞り込みの強引な仕法と結びついて、不満や不信を増幅させている。市の見解と共に、瓜田に履を納れずの自省を求めたい。 ○議長(中筬博之君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) この件につきましては、前回の6月議会でも御答弁させていただいておりますが、御指摘の宗教法人の開発による下水道施設の廃止に伴う補償金の算定につきまして、整備費用にどういった財源を充当するかは市の判断でありまして、下水道事業の財政状況により借り入れた起債の利息分まで、事業者がどなたであっても、1個人、1法人に負担を求めることは妥当ではないのではないかと判断させてもらったものでございます。 市有財産の除却に当たりましては、現状やこれまでの経緯、また法的問題がないか、また、さらに県ですとか、他市の事例等も確認しながら、様々な方法を検討した上で判断しているところではございますが、監査委員の御指摘、御意見、また議員の御指摘も真摯に受け止め、今後、同様の申請につきましては慎重に対応してまいります。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) 慎重にお願いをいたしたいと思います。 何度も言いますけれども、ルールに合っていたからどうかという話を私はしているのではなくて、市の判断の、どうしてそういう市が判断したのかということを、それは違うのではないのかということを言っておりました。 それについて慎重にまた、同様のことがあるのであれば考えていくというお話でありましたので、ぜひそういった立場のことをしっかりと踏まえていただければ、それで結構かなというふうに思っております。 5番に移ります。 所管課は、盛んに大萱地区への説明会開催を地元町内会に要請していると伺った。地元町内会では、大切な案件なので、できるだけ多くの町民に参加していただいた上で意見交換をしなければならないと考えておられ、コロナの現況で今それはできないと伝えるのだが、市は何とか開かせてくれと、しまいには、役員だけでよいから集めてくれと矢のような催促と聞きました。町内会ではあきれて、なぜ分かってもらえないかと半分切れながらお断りをしたと言っておられました。 このことを捉えても、市が真摯に市民意見に向き合うつもりがあるのか、手続だけの形なのかという不信につながる事案だと思っています。何か、上から言われて、所管課が焦っている様子も見えたというようなことも、そちらのほうでは言ってみえました。 このように、とにかくなだれ込んでしまえばこっちの勝ち的な動きが市の中にあるようなので、コロナ禍にあっても、今回の質問は急を要するという結論に至ったことを御理解願いたいというふうに思います。 そこで、⑤ですけれども、これも少しなだれ込みと感じたので、ちょっと取り上げさせていただいておりますけれども、高山市寄附採納事務取扱要綱が、数日前に市の要綱集にアップされました。6月の一般質問以前から、社会通念として行政と政治団体や宗教団体との不適切な関係性の排除の必要性を具現化するものとして、私が策定を求めていたものでもあります。 また、直接的な発生源としては、今、目の前にある大きな懸念としての土地寄附案件について、市民に安心を届けるためのものであったはずですし、精神性の高い施設における宗教団体の関与についてのアレルギーや不安に対し、その心配を払拭するための市民意見への回答として市が要綱策定を検討すると、そうしたものです。 しかしながら、その内容の吟味については、策定の検討を求めた所管委員会にさえ一言の相談もなく、結果として策定の目的に合致せず、市民意見への対応にもならず、市の胸三寸でどうとでもなる基準が裁量権を盾にして策定されてしまいました。 ただ、こうしたものは、第3条における採納の判断について、市の一存ではなく、市民意見をも加味することができれば中立性は保たれるものと考えられますし、同時に、市側から政治団体や宗教団体に寄附を求めない姿勢も必須です。 そういった要素を加えて初めて、自己を正当化するためだけの既成事実ではなく、魂の籠もった要綱として機能するものと考えるがどうか。対応していただいたことは本当にありがたいと思いますけれども、少し形式的であったのかなということで、ちょっとがっかりをしているということです。 全くの一般論としてお話をさせていただきますが、第3条は、採納に当たっての必要性や妥当性を市が判断するとしたもの、採納しない判断基準が1から6に述べられており、(3)で、宗教的な意図があるときは採納しないという旨が述べられています。 しかしながら、宗教的な意図があるかどうかは、寄附側しか分からないわけです。市には判断はできません。 今年1月に、文化庁宗務課から日本宗教連盟に出された文書があります。それによりますと、宗教法人法の逐条解説からも、宗教活動とは、儀式行事や信者の教化育成のみでなく、教化というのは教える、化けるですけれども、教化育成のみでなく、公益事業や慈善事業、社会貢献活動をも宗教団体の判断に基づくということはありますけれども、宗教活動と整理できるんだというふうにあります。 つまり、宗教活動と宗教団体が行う社会貢献事業は線引きができないもの、行動全てが宗教活動と言えなくはない、国でさえそういった判断をしています。これをどうやって市が判断できるのかというところが問題なんだろうというふうに思っています。 (2)の行政の中立性、公平性が確保できないときには採納しない。こういったところで良心は認められるという評価はさせていただいておりますが、これとて、行政が判断することになっています。 寄附するほうもされるほうも当事者です。全くの一般論で、当事者同士だけで金品授受の意図や目的の話を進めて、中立性や公平性が担保できないことは、誰にでも分かる話です。 お金を送った中国企業ともらった政治家が、お金は賄賂目的ではないと言って、証拠があろうがなかろうが誰が信じるのかというお話です。 結局は、市の胸三寸という魂の籠もらない要綱になっていますが、ここに市民の感覚や意見という要素も加味することができれば、これは、今までにないすばらしいものになるというふうに考えています。 また、政治団体や宗教法人との関係において、金品の収受が一切ないことが一番潔くて本来的だと思いますが、どうしても寄附を頂ける部分も残しておきたいという市の気持ちも分かります。私も同じような気持ちを持っています。 その中で、公明性を担保するのであれば、市からは寄附を求めない姿勢を示すしかない。政治団体や宗教団体には、決して市から寄附を持ちかけない、そういった精神を文中に明示、表現すべきだと考えますが、見解を伺いたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 上田財務部長。   〔財務部長上田和史君登壇〕 ◎財務部長(上田和史君) まず、要綱制定の経緯から御説明を申し上げますが、この要綱につきましては、令和2年11月の福祉文教委員会におきまして、要綱の制定を検討する旨の表明をさせていただいております。 以来、市内部での協議、検討を進めまして、6月の一般質問の際には、要綱制定の趣旨ですとか要綱に規定する基本的な考え方、あわせて、速やかに要綱制定をする旨の方針などについて御報告をさせていただいたところでございます。 このような過程を経まして、本年9月1日に、高山市寄附採納事務取扱要綱を制定したところでございます。制定後は、市ホームページにアップするなど、速やかに公表させていただいております。 本要綱の位置づけ、性格でございますが、本要綱は、執行機関が行う寄附採納に関する事務手続を具体的に規定したもので、市内部のみに規定されるルールでございます。 このような性格の要綱につきましては、市自らの意思と責任において決定すべき事項であるとの考え方から、他の制度要綱と同様に、議会への報告を始め、市民意見などを求めることは行わなかったということでございます。 寄附採納の際に市民意見を加味してはどうかということでございますが、市に対する寄附採納につきましては、寄附申出者の自発的な意思に基づく行為であることを基本といたしまして、寄附申出者からの意向を十分に尊重した上で、市として適切に対応することが必要であると考えております。 今回、要綱において基本的な考え方を明確にしまして、寄附採納できない事項を列挙したところでございますが、この基本的な考え方を遵守し、運用することで、寄附採納に対する透明性と説明責任の向上が図られるものと考えております。 このような考えから、寄附採納の際に市民意見を加味するということまでは、現在考えておりません。 また、寄附採納に際して、市のほうから政治団体や宗教団体に対して寄附を求めない姿勢が必須であるとのことでございますが、先ほど申し上げましたように、市に対する寄附採納につきましては、寄附申出者の自発的な意思の表示を市が受託することで初めて成立するものと考えております。政治団体、宗教団体というものにかかわらず、寄附の申出に対しては、市として適切に対応してまいります。 本要綱につきましては、冒頭で説明した経緯を経て制定に至ったものでございますが、その目的は、寄附採納に関する事務の公正かつ適正な執行をもって寄附採納に対する透明性と説明責任の向上を図るものでございます。 今後、所有者不明土地ですとか相続問題に起因して、市への寄附の相談も出てくると予想しておりますが、そのような事案に対しても適切に対応するための要綱であると考えているところでございます。 したがいまして、御質問にある自己を正当化するためだけの既成事実というものではございませんので、御理解いただきたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) 御答弁いただきました。 それではですけれども、どうやってその宗教的目的、あるいは政治的目的であるのかないのかということは判断されるんですか。 ○議長(中筬博之君) 上田財務部長。   〔財務部長上田和史君登壇〕 ◎財務部長(上田和史君) この要綱には、その寄附の目的に応じて所管課が対応するということも規定をしております。案件によっては、市の意思決定機関であります庁議において決定をするということも規定をしているところでございます。 寄附の案件によって、案件はいろいろとあると思いますが、それぞれで所管課あるいは庁議において決定をしていくことになりますが、その判断基準になりますのは、基本的に憲法で定める政教分離の原則に反するかどうかというところになろうかと思います。 特に判例等もございまして、そういったものが、判断基準としては、目的効果基準というものが判例の中で出てきているようですが、そういったものも参考にしながら、市の内部で決定していくこととなります。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) それでは、そういった判断の中に、先ほど私紹介しましたけれども、宗教活動とは、儀式行事や信者の教化育成のみでなく、公益事業や慈善事業、社会貢献活動をも宗教団体の判断に基づくものではあるが、宗教活動等を認めることができるといったところに関しては、どういった判断をされていくんですか。 ○議長(中筬博之君) 上田財務部長。   〔財務部長上田和史君登壇〕 ◎財務部長(上田和史君) 先ほど申しました過去の判例に目的効果基準というものがございます。 こちらにつきましては、その行為の目的が宗教的意義を持つかどうか、また、その行為の効果が宗教に対して援助、助長、促進等に当たるかどうか、そういったことを基準に判断をさせていただくこととしております。 個別具体的には、その都度の案件ごとに、それに照らし合わせて判断することになります。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) 結局は、市の一存だという話でございます。 次に、移りますけれども、6番と7番は共通の情報や要素から連動しているので、一緒にお聞きをします。御答弁は、お尋ねをした部分を順次お答えいただきたいというふうに思います。 ⑥教団からの土地寄附情報を市と検討委員会が共有するに至るプロセスは極めて不自然であると感じる。納得のいく丁寧な説明を求める。 7番、教団による土地寄附の申出に関する経緯は極めて不自然だ。市はこれまでも言い続けてきているが、本当に市から教団に働きかけを行ったものではないのか。まずは、検討委員会の依頼に対して、市長文書についての疑問点。寄附の申出があった。貴委員会における候補地選考に影響を及ぼす可能性があることから通知するという文書は、私は少し不可解に思えます。 選考に影響があるというのは市長の主観です。こういった情報の取扱いについて、市長という立場で判断に関わる主観を述べるべきではないというふうに思っています。影響があるかどうか、つまり結果を左右するかどうか、その取扱いは検討委員会に委ねるべきであって、あるべきだというふうに思います。 寄附の申出があった情報は選考に反映すべきものと言っているのと、同様のニュアンスというふうに聞き取れます。市が方向性を暗示するのであれば、そのこと自体が選考に影響を及ぼすことも当然考えられます。 たとえ意図的でなかったにしても、市長の立場での言動が、示唆や情報操作につながるおそれがあるということを配慮すべきであったというふうに思っています。 いずれにしても、市が土地寄附の申出について、垂涎の様子がうかがわれる事案だろうというふうに思っています。 これについては、多分に取り方の問題だと言われるでしょうから、何かコメントがあればお聞きしておきたいという程度ですが、いま一つは、こういった大切な情報提供の決定が、委員会を通さないうちに、委員長、市長ラインでやり取りされたことも不自然というよりは、これは避けるべきことではなかったかというふうに思っています。 何も知らされないうちに、突然、市長から伝達があったと全体会で告げられて、正直戸惑ったという声は、担当部会以外の何人かの検討委員からもお聞きしています。 平成30年10月に検討委員会が現場視察されましたが、それを遡ること5か月前の平成30年5月18日第12回検討委員会では、委員長の発言があります。 検討委員会の検討では、予算の縛りは初めからないのだけど、じゃ、何も考えなくてよいのかということではない。部会で出た話では、市の所有土地ならば問題ないが、公募案件ではそういったことも考えなければならないだろうし、寄附される方があるかもしれないから、事務局から全部確かめてもらいたい。寄附の意思も含め、用地の取得費用について、事務局に調査を依頼しなければならない。そして、そのように決定しています。 しかしながら、依頼された事務局はその調査をすることもなく、報告もされず、委員会の資料に上がることもなく、そのときの委員会決定はなかったことのように経過していき、あるとき唐突に、ピンポイントで大萱だけの寄附意思確認となり、以後、事態がその方向へどんどんと流れていっています。 この不自然な流れは一体どうだったのか、御説明をいただきたいというふうに思います。 ○議長(中筬博之君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 寄附の取得の経緯については、6月議会で答弁したとおりでございますが、今ほどの委員長が5月18日の選考方法の議論の中で、寄附される方もあるかもしれないという部分でございますけれども、この委員会の中では、全部確かめてもらいたいと、そういう事務局に調査を依頼しなければならないかということですというふうでありましたけれども、その委員会の場においては、そういう調査をしなければならないということの決定はされておりませんので、事務局のほうでも調査はしていないというところでございます。 その後、6月議会でも御説明をいたしましたように、現地視察とかの場において、委員の方から、そういう寄附の申出があるのではないかということをお話がありましたので、事務局のほうから、それを口頭で土地の所有者のほうに確認をして、そして寄附の意思があるのであれば文書で出していただきたいというような形で出していただいた結果を委員会のほうに報告しているという流れでございますので、全ての寄附される方を調査するということでこの選考委員会のほうで決定しているということではございませんので、それについては、前も御説明をしているかと思いますけれども、そういう対応でございますので、お願いいたします。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) 検討委員会で全部調べさせることが必要だと言われたかについて、その後、じゃ、委員長と事務局でそういった話を詰めたこともなかったんですか。 ○議長(中筬博之君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 委員会の中でのそういう発言は、意見の中ではありましたけれども、その場で委員会でそういったことの調査を依頼するというような形は決定していないというところでございます。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) ますます不可解なお話だなと思っていますけど。 令和3年1月の福祉文教委員会での副市長答弁ですけれども、平成28年の3月頃、スカイパーク検討時に、教団より、よければ土地を使ってもらってよいというお話があったと。 前回の一般質問の回答では、市はその申出に対し、有償、無償の確認をしなかった。だから、寄附意思についても委員会で言われて、教団に尋ねるまで知らなかった。 同じく6月議会ですけれども、今言われたとおりです、候補地を委員の皆さんが視察に回られたときに、一部の委員が委員長に対し、もともと当該地には寄附の意向がある旨を告げ、委員長が受けた。 委員会の現地視察は、平成30年の10月18日、19日に、当時の18候補地を回られているので、このときに委員から情報提供があって、委員長から市に依頼があり、11月2日に寄附申出が出ているということであろうと思いますけれども。 一方で、昨年の11月19日の福祉文教委員会で、市から土地寄附をお願いしたのかという質問に、副市長はこう答えられています。寄附については、あくまでも向こうからの申立てでございます。私のほうからお願いをする状況で出てきたものではないということは認識していただきたいと思います。 もともとそういう話があった上での検討がずっと進められてきましたので、当時の委員長が、それは確実なものなのかということを確認してもらいたいということで、確認したところ、文書が出てきたという経緯がございます。 スカイパークの頃に教団から善意の申出があったとお聞きしたのは今年の1月で、その3か月前です、11月。そしてまた、無償なのか有償なのか聞いていなかったと初めてお聞きをした今年6月のその8か月前には、副市長は、委員長から確認を求められる以前に、もともと寄附の申立ての話を前提に検討がずっと進められてきていたとおっしゃっています。 とすれば、市が寄附意思を知らなかったというのはかみ合わなくなりますし、時系列的に整合の取れた、しっかり整理のつく説明をお願いしたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 今おっしゃった時点時点で、私がどのような発言をしたかというのは、今手元にその議事録の筆記がないものですから、はっきり私はそのことを申し上げることはできませんが、最終的に申出があったというのは事実ですが、その申出というものが、寄附をしていいという趣旨なのか、要するに売買で譲与、譲渡しますよという意思なのか、そうしたところは最終的には確認していませんでしたので、それについて、最終的には委員長のほうからそういう趣旨の意見がありましたので、やはり文書等できちんと確認する必要があるという認識で、そういう手続を取って、そういったものを承ったので、また委員会のほうに提示したという、そういう流れでございます。 御質問の趣旨に沿ったものかどうかちょっと分かりませんが、そういった事実関係でございます。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) 会議録には残っておりますので、また見ていただければというふうに思いますけれども、もともと寄附の申立ての話、もともとそういった話があった上での検討がずっと進めてきましたとは、昨年の11月時点で言っておられますので、どうかその辺はよろしくお願いしたいと思います。 丹生川地区の意見交換会でのお話です。最終答申の後の第1回丹生川地区の説明会では、ある住民の方が教団から直接聞いたというお話をされましたということです。これ、聞いた話です。 それは、スカイパークがもめている頃、市の担当者が教団を訪れ、窮状を訴えられたので、教団はお役に立つのならと幾つか寄附のできる教団所有の土地を紹介した。そのうちの1つに大萱があって、市はそこに触手を示したようだという住民の方です。 こういったもので、その質問に対し、市はしっかりと答えることができなかったと、その場にいた議会関係者からも聞いています。 この件でも、先ほど触れた、困ったときの教団頼みではなかったのか、本当に市は教団に寄附をお願いしていないのか、確認をさせていただきたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 今、申出云々の話がございました。 先週、倉田議員は、教団の担当者の方々とお話をされて、その経緯をしっかりと確認されたのではないかと思いますが、その折にも、私が伝え聞くところによれば、私どもが申し上げているような経緯を当事者のほうからお聞きになられたと承知をいたしております。 それらについて、私どもについては別に疑義はございません。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) おっしゃるとおり、私たちは教団からもお聞きをしています。 使っていただいてもいいと市に伝えられたのは、何かの雑談の折であって、市がそのために、そのためのお願いに来られたということではなかったと。その際、寄附のお話もしたつもりだったけれども、市が知らなかったと言われるのであれば、自分たちの伝え方が悪かったに違いない。その後、市と土地寄附の話をしたことはなかったというふうにお聞きをしてまいりました。 全く御自分だけの意思で候補地公募に応じたのかという問いかけに、よければと言っただけで、自ら積極的に土地寄附を申し出たわけではない。寄附行為に他意を推論されるのは心外であるというふうに、お叱りを受けてまいりました。 本山を高山にといった話の頃から市にお世話になっているので、感謝の気持ちはずっとあり、今回のこともそういった思いからの行動である。よければ使っていただいてもよい土地がありますよとお伝えした後も、それについての話は一切なかったので、どうなっているかも知らなかったし、公募のことも知らなかった。公募の際に、本当に寄附意思があるのなら応募していただきたい旨を市から伝えられ、手続をしたと、そういったお話も聞いてきました。 ちょっとこの辺で、また少しかみ合わない部分が出てきていますけれども、市は具体的にお願いをしていなかったかもしれませんが、寄附意思の情報は知っていたし、当該土地に対する市役所内部の評価も、先ほど言われるように、もともと検討していたというような、そういった評価も持ち合わせていたのではないかなということを思っています。 こういったピースを一つ一つはめ込んでいくと、無理くりですけれども、一応は腑に落ちる絵が見えてきます。げすの勘ぐりだと言われるかもしれませんが、推論を述べますので、お聞きください。 高山市から土地の寄附をお願いしたということではないけれども、スカイパークの頃に雑談の中で、教団が善意を示した土地寄附意思は、そのときに市にも伝わっていた。であるので、市の内部的には、そこが火葬場として適当であるのかどうかについても、もともとずっとと言われたような検討も実はされていた。 ただ、そのことを検討委員会に知らせるのは、委員会の公平性を欠いてしまうので極力控えていたけれども、土地の寄附はありがたい話だし、善意も踏みにじりたくない中で、折しも、委員会でも寄附や土地取得費用の話も出てきていたので、検討委員会とも共有すべきタイミング、情報であると考えて、共有する手順を進めた。こういったのが私の推論です。 市の発言がかみ合わない部分、まだありますけれども、恐らくは、その場しのぎで答弁をされている中でそうなってしまっただけで、特に深い意味や他意に基づいたものではなかったのだろうというふうに、自分も考えることにしています。 いろいろ詮索されるのは面倒なので、市は寄附意思を知らなかったことにして、議会には報告しておけばいいと考えられたのかなと。議会などはちょろいもので、その場だけ言い張って過ごしてしまえば、それで済む。しょせん、市のやることに難癖なんかつけられることはないとたかをくくられているのは、私たち議会の力不足だということだと思っています。 悔しいし、腹立たしいですけれども、議会の責任もあると考えなければならないと考えています。代表する立場でもないので、取りあえず私個人は、もっと力をつけるように研さんをしたいというふうに思っています。 もうおおむね推論でいいのか、ほかに整理立った説明があるのか、お伺いをします。他の説明や新たな情報があるのなら、またちょっとしつこく照合をしていくことになろうかと思いますが、できれば、この辺りはこの辺にしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) いろいろ推論されるのは、いろいろな方がいろいろなことを推論されると思いますけど、それがあたかも事実であるというようなほうでお話をされるのは、少し心外でありますけれども、我々としては、今後とも、その地域を市民の皆さん方が3年にわたって検討されて、さらに順位をつけてお示しいただいたので、それにさらに詳細な検討を加えて御提案をさせていただいているということでございます。 そのことについていろいろと御意見等がございます方についてもしっかりとお聞きをしながら、100%御納得いただける部分はないのかもしれませんけれども、また、しっかりと皆さん方にもお諮りをしながら、決定をしていくというつもりでございまして、強引にそこへ持っていこうということはまずないということ。 それから、その土地を強引に寄附に持っていこうとしたとか、あるいはいろいろなことで宗教法人の方に本当にお願いをして、頼って、そういうふうに寄っていくというようなことも一切ありませんし、我々は通常のルール、普通のルールに従いながら、粛々と正当な職務を執行してきたというふうに自負をしているところでございます。 ○議長(中筬博之君) 倉田議員。 ◆15番(倉田博之君) 分かりました。分かりましたが、先ほどから検討委員会の順位のことを言われますが、検討委員会は3つの候補地を出していただいたところで役割は終わられているんだと、大変御功労いただいたんだと思いますけれども。 その後の話では、委員会と市の協議の中でも、フラットな部分で、これはこの3つを検討していくんだぞという話になっていますので、そこのところはそのとおりであろうかなというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。 今回の調査で、改めて火葬場の候補地についてはいろいろな思いがあることを確認しました。そして、必ずしも市の絞り込みを快く思っていない市民がたくさんおられることも再認識しました。 また、まだまだ十分に聞き取れていない意見も潜在しているなということも確信しました。例えば、幾ら火葬時間が短くなっても、お寺様は火葬からお骨上げまでずっと立ち会っているわけにはいかない。お礼参りの準備やその他の宗務もある。そうなると、高山地域の特に高齢の僧侶は、自分の運転で遠い火葬場への2往復は周りの心配も大き過ぎる。雪道、坂道ならなおさら、もう今現在、久々野火葬場へはお骨上げの立会いを遠慮させていただいているお寺も多いというお話を聞きました。 お寺の都合で建設しようと考えられるわけではもちろんないでしょうけれども、利用者の思いにもつながる話であり、そういった分野の意見を全く聴取しないというのも丁寧ではないのでないかという意見は、私たちの意見聴取の中で出てきたお話です。これ、初めて聞くものでした。 早速、幾つかのお寺で確認もさせていただきました。市の説明や報道などから、もう決まってしまったことと勘違いをされ、思いを閉じ込めて、泣き寝入りというか、そちらのほうへ向かっている方が随分いると参加者からは聞いています。 教えていただいた方から、議会は市役所の言うなりやと思っていたけど、小さい声も拾ってくれることもあるんやなと、そういうこともまたみんなに言うさなと言われて、誤解されているなとも思いながら、ちょっとうれしかったです。 反対の立場を取っている方々の中にも、利用人口の重心の人たちが本当に望まれているのなら、自分も諦める用意はあるんだ。けど、そういう状況では今はない。みんなが喜んでいないのなら、自分も嫌なものに賛成はしたくない、そういった思いの方もあるというふうにお聞きしました。あるというか、そうお聞きしました。 検討委員会が3候補地に絞ってくださったのは、先ほど言いました、順位づけはともかくとして、大変大きな功労で、感謝に堪えません。 しかしながら、市が自らの責任でそこから候補地を絞るのに最も大切な基準は、市にとっての都合がどうかではなく、どういう方向が利用者に最も喜んでいただけるのかということだというふうに思います。 市が候補地を決定するのには、圧倒的にその調査が今足りないというふうに思っていますので、ぜひその努力をお願いしたいと思います。 9月7日の朝日新聞で、衆議院議員三ツ矢憲生氏が、この方、自民党ですけれども、安倍、菅両内閣を指して語っておられます。 いろいろな出来事に対してきちんとした説明がなされていないことが、信頼を失っている基だ。最近はやりの言葉で3S、3つのSと言われるが、説明しない、説得しない、責任を取らない、この3Sが積み重なって、国民をなめたような対応をしてきた。そこへの世間の評価は厳しい。こういった論評です。 声を出せない人も含めて、言葉は悪いですけれども、三ツ矢氏の言葉を借りるんですけれども、市民をなめることがないように、高山市の3Sは、説明する、説得する、責任を取る、これを形だけでなく、中身と、何よりも心を持って果たしていただくことを強く要望して、質問を終わります。 ○議長(中筬博之君) 以上をもって、倉田議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(中筬博之君) 休憩します。     午前11時57分休憩  ――――――――○――――――――     午後1時00分再開 ○副議長(伊東寿充君) 休憩を解いて会議を続行します。  ―――――――――――――――― ○副議長(伊東寿充君) 次に、中田議員。   〔21番中田清介君登壇〕 ◆21番(中田清介君) 午前中、私も注目して、一般質問の様子を聞かせていただきました。市長の発言によれば、170億円になんなんとするコロナ対策予算を使っても一向にこの窮状は救われない現状をどうしたらいいのか。我々議員の歳費全般については、市民1人当たりで割ると146円ぐらいの負担になるそうです。議会費全体を取り上げても240円そこそこ。そうした議会と議員が、どれだけこういう状況に関して市長部局に対して物を言っていけるのかと、これが問われるところであるというふうに思っています。 今回、SDGsと地方創生絡みの観点から、市の政策全般について、今後の在り方というものをどう構築していったらいいのかということを問いかけてみたいということで取り上げさせていただいております。私が事前に読んだSDGs関連のものの本によりますと、アフターコロナの世界では3つの大きな転換点が生まれるだろうというふうに言われています。1つには、役所も含めたら働き方の問題。急速に進むデジタルシフト化、こうした問題が1点ある。2点目が、2番目の質問で取り上げておりますけれども、社会システム全般の価値観の変化、これにどう対応していくか、これがもう一つの問題だと。3番目の問題点というのは、こうした2つを見据えて、社会の中には新しい産業の芽が芽生えてくるだろうと、そういう指摘でありました。 現状、じくじたる思いでコロナの経済対策などを見ておりますが、感想を言わせていただければ、全ての政策が無に来したとは言いません、その時々の窮状を訴えられる皆さんへの手当てになっておりますが、アフターコロナをにらんだ場合には、この経過措置は全く無になるだろう、それを乗り越えて、どう新しい世の中を構築していくかということが問われている、そのように一応読ませていただいております。今回は5点について通告をいたしておりますので、順番に質問を重ねさせていただきたいと思います。 私の質問、SDGsと地方創生戦略で考えるアフターコロナの政策課題についてとしております。 1点として、人口減少化が進む中、市の政策課題は、突き詰めれば、地域に仕事があって若者が定住し、結婚、出産の夢をかなえられる社会の実現である、活動の中で言われていることは、こうしたことの内容であります。SDGsの本質は、経済、社会環境の好循環による持続可能な社会の実現であり、国も地方創生、SDGsという言葉で地方創生の問題解決を図ろうとしております。市の政策体系にもSDGsの開発目標を関連づける表記が進んだところでもあります。今後ますますSDGsで政策体系を整えていくことが求められていると思います。 しかし、ニューノーマルと言われるように、コロナ禍でこれまでの環境は一変してしまいました。これまでと違った社会システムの大規模な構造転換が進むと予想される中、市は政策の見直しについても言及されております。今後どのような政策のかじ取りを目指されるのか。税収減と歳入構造の変化も予想される中で、政策課題の絞り込みも必要と考える。先に発表された補助金の見直し方針も含めて、その考えを伺いたいとしております。 基本的に社会基盤をどう整えていくかの問題ではありますが、現実の問題として、歳入構造の縮減に対しては手当てをしていかなければなりません。その意味で補助金の見直しというのは妥当な戦略でもあるというふうに思いますが、なかなかこれには大きな課題がついて回ります。これまでにも、私が議員になってからは一律1割の補助金カットという政策が随分前に実行されましたが、なかなかそれ以後、運営費補助、それから、これまでの団体の設立経緯からして切り込めないそういった問題もたくさんありました。今回は、こういったような考えも含めながら、SDGs関連で、どうした考え方を転換しながら、市の政策水準、政策の内容を整えていかれるのかを少しお聞きをしておきたいと思います。お答えによりまして、また、その内容についてお聞きをしたいというふうに思っております。   〔21番中田清介君質問席へ移動〕 ○副議長(伊東寿充君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) お答えさせていただきます。 未曾有のコロナ禍に際しまして、お話がございましたように、これまで当たり前であった常識とか価値観、これが根底から変わりまして、日常の生活スタイルや働き方など社会構造が大きく変容してきたと捉えているところでございます。こうした社会構造の変容に的確に対応するとともに、持続可能なまちづくりに向けて極めて厳しい選択が求められております。 そういう中におきまして、行財政基盤の維持を図るために、これまでも実施した事業の見直しなどについてさらなる検証を加えまして、例えばでありますけれども、団体運営補助から事業補助への切替えなど、統一的な視点を示しながら、全庁的に、今、見直し作業を進めているところでございます。 また、いまだに新型コロナウイルス感染症の先行きが見通せない状況において、これまで事業の継続性を重視してきたものについても、今後は、例えば事業期間をあらかじめ定めるなど、その事業の効果をしっかりと検証していくとともに、反面、課題を克服するための事業には果敢にチャレンジをしてみるといった、前から申し上げておりますけれども、選択と集中、これを意識した政策を一層進めなければなりません。 これらの見直しは、行政のみならず、市民の皆様との同じ共通の認識でもって進めなければなりませんので、それらのことにも留意をしながら、総合計画はもとより、各種計画において見直していくべきものがあるのかどうかという点について、しっかりと留意をして対応してまいります。 ○副議長(伊東寿充君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) 先般、発表されました令和4年度に向けた事業見直しについてというこの内容を見ましても、今言われたとおり、果敢に切り込んでいただかなければならない問題、そうしたものを改めて示されたというように思っております。 2ページにあります補助金の補助金事業についての見解。これは内容を見ますと、国が豊かな地方自治体の財政に対して言っていることの裏返しでもあるというふうに思っております。当然こうしたところに切り込まない限り、運営費補助から事業費補助というものの切替えはできません。私は以前から言っておりますけど、事業費補助に対して果敢に切り込むなら、5年間の立ち上がり支援による事業費補助をもっと徹底すべきだと。長くかかる慣例になってしまっているような既得権益になるような運営費補助というものに対しては、透明性がないということは、ここにもうたってあります。だけど、要は、ここに本気で切り込めるかどうかの問題だと、そういうふうに思っております。この点については、財務部長のほうから、どの辺までやるつもりなのか、もう一遍お伺いしておきたいと思います。 ○副議長(伊東寿充君) 上田財務部長。   〔財務部長上田和史君登壇〕 ◎財務部長(上田和史君) 令和4年度の予算編成に向けた事業の見直しにつきましては、先般、各3つの委員会において御説明を申し上げたとおりでございます。 その中の補助金の見直しについては、どこまでやるのかということでございますが、考え方はしっかりと示させていただいて、全庁的にもこの考えは共有しておりますので、今、鋭意、所管の部署でその見直しを進めているところでございます。全て、来年度の予算で全てが成し遂げられるかというと、そこまでできるかどうかというのはちょっと言及できませんけれども、私どもの内部だけで進めるのではなくて、各関係する団体とも、今、鋭意お話合いを進めながら、そういったことも含めて来年度の予算編成に向かいたいということで考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○副議長(伊東寿充君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) 透明性をもってこれに進んでいただけるというお答えであったかというふうに思います。 心配するのは、今までの習い性からいって、入湯税の半額を補助している、そういう政策もございます。昨年度の税収の決算を見ますと、2億円の税収ははるかに及ばず、1億円になってしまった、半額になってしまった。こうしたところを関係団体との調整の中でうまく乗り切れるのか。これは、やはり最終的に歳入構造の変化に対する認識を皆さんと共有することでしか克服できないというふうに思っております。その辺のところは、十分に対応の方も内部で固めていただきながら進んでいただきたいなというふうに思っています。 もう一点、これまでと違った社会システムの大規模な構造転換が進むと予想される中、市は政策の見直しについて言及されているということを言っておりますけれども、このSDGsの関係と地方創生の関係です。市もその重要性を認めて、先ほど私が読み上げましたが、市の政策の中にも関連の表記を全て盛り込んでいただき、その覚悟を持って、全庁的に、全市民的にSDGsの推進というものを図るんだという決意は示していただいております。 そうした中で、先ほど冒頭に申し上げました行政の仕事も含めてデジタルシフトは多く進むだろうというアフターコロナの世界にあっては、役所も果敢にそうした内容に切り込んでいただく必要もあるのではないかというふうに思っています。 2日前に出ました朝日新聞のコラムの中で石川県加賀市の事例が出ておりました。加賀市では、私どもの市と同様に高齢化と過疎化が進み、彼の地では温泉観光と九谷焼等の地場産業はあるけれども、どちらも衰退傾向にある。ここで何とかしなければ、アフターコロナの世界はもちろんのこと、消滅可能都市としての事例にまでなってしまっているということがあったそうです。そうしたことに危機感を覚えた宮元市長といわれております。これの救済策としては、徹底したデジタル化による役所の仕事の見直しにかかっておられるというような新聞報道でした。 その1つの中に、今の高山市でも努力していただきましたけれども、マイナンバーカードの活用による役所の仕事の見直しを推進されたというふうに出ておりました。その内容は多岐にわたりますけれども、こうしたことを進めることによってデジタル社会の構築に寄与して、それを活用して宿泊観光者への補助、これは、我が町への宿泊日数により、そのお客様にサービスするインセンティブの内容を変えていくというそういうサービスまでつけられるようにしようという、そういう1つの基盤整備の方向性というものを打ち出されているというふうに聞いております。これは、ヨーロッパのエストニアが、大変そうした内容でのデジタル化が進んでいるということで、その内容を勉強して、わざわざその成果を見に市長自ら出かけられて勉強されたそうです。そうしたことに日本人の関係者が携わってみえたおかげで、非常に大きな成果をこれから期待できるようなまちの方向性が打ち出せたというような内容でした。 こうしたことの内容から見ても、やはりSDGsに関連する環境、社会、経済の好循環というのは、我々の町でも目指す方向性の1つだというふうに思っております。 こうしたことの、SDGs関連に関する市の政策を見てみました。これからもっともっとそうした内容を基軸とした政策運営、それから、政策の基盤のつくり直し、そうしたことが求められるんだろうというふうに思っております。 アフターコロナの世界では、これまでの前例踏襲や先例は通用しないというような覚悟で我々も一緒になって考えていこうという取組をしてまいっております。この辺のところの既存の政策の見直しというものに対して果敢に切り込みをすることができるのかどうか、その辺の覚悟だけお聞きをしておきたいというふうに思います。 ○副議長(伊東寿充君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) これまで高山市は、総合計画を議会の皆さんとも相談して決めさせていただいて方向を決めさせていただき、それを骨として進めてまいりましたけれども、前回も御指摘がございましたように、その総合計画そのものがコロナの前のところの段階での協議でございましたので、それ以後については、やはり大きく社会環境が変わってきておりますので、併せてそれは見直していかないといけない、これは基本的な考え方であります。それにおきまして、今、御紹介がございましたようなデジタル・トランス・フォーメーションというのは、大きな動き、うねりになってきているというふうに思っておりますので、これは行政の効率生産性の追求だけではなしに、市民サービスの向上につなげていかなければならない、この両面から推進していくつもりでいるわけであります。 そして、それらを推進していく中には、おっしゃられたようにやはり市民の皆さん方との共通の認識というのがもう大事でございますので、唐突に提案するという形ではなしに、事前にいろいろな面で情報交換しながら、方向性をそれぞれの所管部局が探っていただきたいと、そういう指示を出させていただいているところでございます。一朝一夕にすぐにできるものもあるかもしれませんし、また、なかなか難しい課題もあろうかと思います。それらにつきましては、十分御協議をさせていただきながら進めてまいります。大変厳しい道のりであるし高いハードルであるということは承知をいたしておりますが、しかし、決められない市役所ではなくて、やはり決めていく市役所でなければいけないと思っておりますので、その点については努力をさせていただきます。
    ○副議長(伊東寿充君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) 今、市長からおっしゃっていただいたような方向で進めなければならないし、そうした方向でなければ、コロナ後のアフターコロナの社会構造というものの転換はできないだろうというふうに思っています。 それにつけては、先ほどの質問でもありましたけど、市長のメッセージ性というのは大変大きい効果があるというふうに思っています。これまでも何回も市長のメッセージ性ということを一般質問で述べてまいりましたけれども、私たち商売人のことわざの中にこういうのがあります。暇なときは床を磨け。暇なときこそ掃除を徹底しろ。そして、顧客であるお客様を気持ちよく迎える、そのための期間が暇なときなんだということがあります。対症療法のいろいろな施策を国と一緒になって、県と一緒になって、178億円もつぎ込んでもなかなかその成果が見えてこないという中にあっては、市長のメッセージ性は、この基盤をどうしていくのか、基盤は、SDGsにうたってあるような方向性で高山市を持っていくんだという、やはり決意が要るんだという、そういうふうに思います。これこそが政府も言っているような地方創生のSDGs、これをどうしていくかという問題と重なっているというふうに思っていますので、その辺のところ、また、御留意いただきながら、政策運営、整えていただきたいなというふうに思っております。 ②として、今後予想される大きな構造転換の1つに価値観の変化があり、テレワークの普及による通勤時間や通勤地、就業時間の縛りから解放される空間と時間軸の新しい価値観がその1つである。そこからは、家族と過ごす時間を大切にする志向が生まれ、都市型レジャー施設から豊かな自然への回帰も生まれてきた。私たちの価値観が、物から地球を守る暮らし方を重視する方向へ変化してきているのである。この動きこそがSDGsの取組そのものと指摘されている。この変化に合わなければ顧客離れが起きるのであり、その対象は、行政であり市内事業者でもある。リースやシェアリングエコノミーの世界が加速する中で、その対応が求められていると言える。 さきの政策提言では、レスポンスツーリズムとサスティナブルトラベルでの観光の質の転換を提言したところであるが、これも価値観の変化に対応する観光の持続可能性を捉えたものである。こうした価値の変化に幅広く対応できる政策の転換に取り組めるのか、行政の見解を伺っておきたいというふうに述べております。 先ほど申し上げましたけど、アフターコロナの3つの要素、その1つに価値観の変化、大きく取り上げられております。これまでの当たり前だった社会通念上の制度やシステム、社会構造が一変するんだと。だから、それに対応した組織でありますし、また、政策運営の基本であります各種計画もそうであります。この価値観の変化というものを取り入れながら、再構築していく覚悟があるかということをお聞きしております。もちろん、あるに決まっているんですが、この辺のところは、政府の方針もあり、地方自治体は、地方創生の流れの中で国の政策に沿った流れの中を、今、泳いでいるわけなんですが、この辺のところの見直しを価値観の変化ということに置き換えて、企画部長、どう対応されるのか少し聞いておきたいと思います。 ○副議長(伊東寿充君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) ただいまの質問は、ある意味、観光についてこれからどのように進めていくのかという意味にも取れるかというふうに捉えておりますが、高山市の基盤産業であります観光について進めてきた中で、SDGsの中に当てはめますと、観光といった捉え方はしてございません。 しかし、やはりこれからの観光というものがSDGsの17の目標で言いますと、例えば、働きがいも、経済成長も、例えば、住み続けられるまちづくりを、例えばつくる責任、使う責任といったもの、これは議会の提言の中でもございましたが、そういったものに結びつくもの、そういったものにしていかなければならないと、観光の成果として、そういったものに結びつくものに施策としても取り組んでいかなければならないですし、地域づくりまちづくり、また、経済成長につながるものにしていかなければならないというふうに考えております。 ○副議長(伊東寿充君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) これは市町村合併の検証でもあります。平成17年度以来、令和元年の決算を見ましても、税収構造で17年度比でプラスになっている課税科目は、個人市民税と軽自動車税だけという状況であります。これ、何遍も申し上げておりますけれども、稼ぐ力が弱ってしまっている。この15年、16年を振り返ってみたときに、失われた20年というような言葉がよく言われますけれども、高山市にも当てはまるそういったきちんとした見直しに基づく将来展望、バックスキャンで捉える政策展開というものが弱かったのではないかと。 インバウンドの観光で、幾らお客さんを呼んでも呼んでも、市民生活の豊かさは決算数値からはなかなか読み取れないという状況が、そのあかしであったというふうに思っています。こうしたところも見直しをかける1つの契機であるというふうにも思っています。 アフターコロナの世界では、やはり前例とか先例踏襲ではうまくいかない、社会システムが変わってしまうんだというところを認識しなければ、何事も解決しないというところであります。 今、観光についても述べていただきましたけど、従来の観光とは違った視点で何かを打ち出していかなければ、元に戻るには時間がかかり過ぎて、貼りついている事業者も先の目標を見失ってしまう。そういうところが、経済政策の難しいかじ取りの内容でありまして、対症療法がうまくいかないのなら、私は、こういった点で高山市の基盤を整えながら観光の基盤も整えていきますという宣言がやはり必要なんだというふうに思っています。その1つには、提言で言ったような方向性の観光政策もあるでしょう。それから、きちんとした見直しを官民そろって、先ほどの岩垣議員の提案ではありませんけれども、官民そろって検討するという内容をもう少し深めていけば、いいアイデアは多分に生まれてくるというふうに思っています。それを整えて側面支援するのが行政の手腕であり、それを実行してもうけていただくのは民間の事業者です。その辺の切り分け方を間違えると、どれだけつぎ込んでも効果が出ないというような内容に陥ってしまいますので、そうしたことについても、少しまた考えながら実行していっていただきたいと思います。 3番に入ります。市は、先般、SDGsの未来都市に選定された。その提案概要は、世界を魅了し続ける国際観光都市飛騨高山の実現である。残念ながら、モデル事業には届かなかった。 しかし、こうした事業認定には補助金交付のメリットがあるほかに、もう一点、SDGs未来都市指定には、地方創生推進交付金の枠をもう一つ活用できるメリットがあるとされています。この対象事業には、ここに書いております先駆タイプ、横展開タイプ、隘路打開タイプの3つのタイプがあり、令和3年度の対象事業決定を見ると、高山市は横展開タイプで550万円の交付をまちなかの伝統建築を舞台とした若者による地域活性化推進事業で採択されております。 今回の計画の中では、7番、資金スキームの項で、活用予定の支援施策として、総額2億3,889万6,000円の補助金、交付金が予算立てされております。 SDGs関連では、各省庁にわたって127項目もの幅広い支援メニューがあるというが、これまでの市の交付実績については、どのようであったか、交付実績があれば伺っておきたいというふうに思います。 ○副議長(伊東寿充君) 田谷企画部長。   〔企画部長田谷孝幸君登壇〕 ◎企画部長(田谷孝幸君) SDGs未来都市への選定に伴い地方創生推進交付金の申請上限枠が拡大されることは、選定の大きなメリットの1つであります。 現在、地方創生推進交付金の交付決定事業としては、議員言われましたとおり1事業、これは、まちなかの伝統建築を舞台とした若者による地域活性化推進事業として、高山市若者等活動事務所の村半の運営事業に対する支援でございます。1事業となっておりますが、引き続き対象となり得る事業について交付金の活用に努めてまいります。 また、議員言われましたように国の各省庁ではSDGsの推進に関連して幅広い支援制度を設け、令和3年度においては、先ほどの地方創生推進交付金のほか、農業者の経済的支援としての中山間地域等直接支払交付金、ごみ処理場建設や浄化槽整備助成に係る循環型社会形成推進交付金など、現時点における国及び県からの補助金として8事業、3億2,500万円余りの内示や交付決定をいただいております。 今後も、国、県を始め、情報収集に努めつつ、財源の確保と社会動向や市民ニーズに即した施策展開を図ってまいります。 ○副議長(伊東寿充君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) ありがとうございました。皆さんの仕事は、いかに有効な補助金、交付金を獲得して高山市の市政運営に当たるかということですので、役に立つ交付金、補助金、たくさん活用していただいて政策運営に当たっていただきたいというふうに思っております。 私が読んだ本の中には、あまり交付金ばかり頼ると、交付金には裏保証として2分の1補助であるので、その財源は市町村が自前の政策経費から当てなければならない、そういう裏面も持っているんだから、SDGs関連でメニューが多いと言っても、それなりの覚悟を持って獲得に当たれというようなことが書いてありましたので少し聞いてみました。だけど、このことが政策運営上の基軸となって、私どものまちの在り方を規定していくということが、やはりこれからは必要なんだろう。それには行政ばかりではなくして、事業者の民間の皆さんの協力も得なければならないということで、この辺のところの政策運営、また、十分に考えながら、民間との共同の協議会等も、また設立されるようでありますので、期待をして待っていたいというふうに思っております。 4番目として、今回の市のSDGs提案についてとしております。これから読み上げるのは、私の感想であります。一々お答えいただかなくても結構ですので、最後のほうまでお聞きをいただきたいと思います。 アとして、労作ではあるが総花的と映るのは、テーマの設定と、その絞り込み方にあるのではないか。 イ、今回3年間の計画として、そのKPIと2030年達成目標としてのあるべき姿を述べているが、その関連性、特にプロセスについては、どう説明されていくのか、この辺のところは課題ではないか。 ウとして、デジタルトラスフォーメーション、カーボンニュートラル、テレワークの推進等、国の重点施策と魅力ある観光都市の実現を通したその具現化、こうしたもの、並びに昨年末改定のまち・ひと・しごと創生総合戦略を踏まえた全体としての組立てに説得力が少し欠けたのではないか、私は足りないというふうに表現しておりますが、そうも思っております。 エとして、経済、社会、環境、3側面をつなぐ総合的取組の相乗効果により生み出される新しい価値観については、一般論の域を抜け出せていないのではないか。 オ、飛騨高山SDGsパートナーシップセンターの設立、市民による情報発信、私なりのSDGs宣言制度は、今回の意欲的な取組と受け止めるが、ステークホルダーの捉え方等に従来の発想の域を出ていない。市民社会における多様性をどのようにこれから担保していくのか。これはいろいろな意味で、今朝の質問の内容でもありましたが、そんな感想を持っております。 カとして、観光都市の環境政策といえば、低公害車による観光へのインセンティブ、そうしたものや、受入現場のフードロスやごみ問題など、切り口は多様である。こうした具体論とか施策の中での多様性というものに対して今後どうしていくのか。こういう課題については、切り込み不足も言われるのではないか。今後どのように、こうした問題を整えながら高山市のSDGs提案については考えておられるのか、聞いておきたいと思います。 ○副議長(伊東寿充君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) お答えします。 SDGs未来都市への提案におきましては、2030年のあるべき姿として、今、お話がありましたような構想を打ち出させていただいております。これは、市の基盤産業である観光のあるべき姿は、単なる観光客数の伸びなどを指しているのではなくて、SDGsの3側面である経済、社会、環境の好循環をもたらすものであること。すなわち、飛騨高山ならではの魅力ある地域や産業、文化に光を当てることなどで、資金循環により市内の経済活動が活発になりまして、その地域に暮らす人々にとって誇りと幸せが実感できて、そして、ひいては地球環境にとっても貢献できるといった視点に立って仕組みづくりをしようというものでございます。これは、日本のSDGsアクションプランモデルの中の3本の柱の中にも示されている内容の中で、特に今回、この、モデル未来都市の趣旨としては、特色ある自治体モデルとして、それを見習うような先導的なその施策を具体的に進めようというようなことで求められておりますので、高山市としては強みである観光というところを切り口にして、社会、経済、環境の側面から出させていただいたというものでございます。総花的ではないかという御指摘もいただきまして、計画期間が3年間ございますけれども、もう、これから、しっかりと具体的な内容につきまして補完をしていきながら、単に提案しただけではないものにしてまいりたいというふうに思っております。 新しい価値観を、いかにして市民の皆さんが実感できるものとして構築していくかということが肝腎でございます。そのために、御紹介ありましたけれども、パートナーシップセンターというようなものもつくらせていただいて、市民の皆さん方、お一人お一人のいわゆるSDGsというようなものを認識していただけるような船頭役も進めてまいりたいということでございます。 お一人お一人の考え方や価値観、そして環境、異なりますけれども、それを超えてSDGsという共通目標の達成に向けて、つながらなかった人とつながることで、今まで起こり得なかったような行動が起こる、それを期待していきたいという形でそれを進めていきたいと思います。環境への配慮に向けた取組を含めて、御指摘いただいた点なども考慮しつつ、SDGsの未来都市提案に掲げた各施策をこれから具体的に進めてまいります。 ○副議長(伊東寿充君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) 今、おっしゃっていただいたような取組は、今後も必要だというふうに思っています。行政からの提案ではありますが、市民がこぞってここになだれ込んでいけるような環境づくりというものが一番大事なんだと。 これまで観光問題につきましては、日本版DMOの問題等でステークホルダーの問題も捉えました。関係人口の皆さんもそうなんですが、ステークホルダーの捉え方をもう一度市民の枠を広げて考えないと、既存の団体、また、これまでと同じようなメンバーで考えてしまうというようなそういうところにも持ち込んでしまいますので、何とかその辺のところは幅広く捉えていただいて、市民社会の構成というものは、これから、市民と政治家、それから、市民と行政、そういったような関係のほかに、市民と市民の間でのフォーラムというようなものの結成もあり得るというふうに思っています。幅広く市民の意見を吸い上げるという組織づくりにも役所は自分たちの仕事の改革と一緒になって取り組むべきなんだろうなというふうに思っています。その辺のところも少しお願いをしておきながら、このSDGsと地方創生の問題、市のアフターコロナの政策の見直しというものは連動する問題でありますので、考えていっていただきたいなというふうに思っています。 最後になりましたが、5番目です。SDGs未来都市に選定された今こそ、新しい価値観で政策の見直しを進めるときなのではないか。 今回の計画には、高山の駅西地区まちづくり構想の策定も盛り込まれている。SDGsの積極的展開の項で述べられているように、性急な事業効果よりも、バックキャスティングによる着実な前進が望まれるところである。さらに言えば、ジェンダーの問題である。現状の課題として捉えられている問題の1つである。市の現状を見ても、議論の俎上には毎回乗るのではあるが、その歩みは遅い。現状を認識して、どのように対応していくかの問題でもある。社会参加や政治参加の問題としても大きく取り上げられている。2019年改定されたSDGs実施指針では、17のゴールを目指す8つの優先課題の最初の項目は、あらゆる人々が活躍する社会、ジェンダー平等の実現であると記されている。この辺の取組方、今後の方針等について伺っておきたいと思います。 ○副議長(伊東寿充君) 西永市民活動部長。   〔市民活動部長西永勝己君登壇〕 ◎市民活動部長(西永勝己君) 令和2年3月に策定いたしました第5次高山市男女共同参画基本計画の市民アンケートの調査では、社会全体において男女平等であると回答した市民は約16%でございました。中でも、慣習やしきたり、政治や政策決定の分野において男女平等と回答した割合が低くなっていると認識をしております。 そのため計画では、基本的に、お互いの個性を認め合い、出し合い、支え合う地域、市、市民、事業者、地域が協働連携して進めるまちづくりを掲げ、多様な人材が参画できる地域づくりや、多様な人たちが共同して課題解決に取り組むまちづくりを進めることとしています。 今年度、新たに、性的少数者、LGBTなど啓発用のリーフレットを作成、配布しているほか、「男だから、女だから、ではなく、私だからの時代」というテーマの男女共同参画パネル展を開催いたしました。 また、11月には、性別では決まらない役割分担を視点とした講演会を開催することとしております。 高山市第八次総合計画においては、基本理念において、さらなる魅力や個性を創造するため、多様な視点や新たな価値観を取り入れることが重要であるとしておりますし、今回、高山市が策定しましたSDGs未来都市計画においては、認め合い、受け入れる意識の醸成などを図ることで、ともに支え合う仕組みを構築することとしております。 これらの考え方を着実に推進できるよう、様々な施策、場面において展開をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(伊東寿充君) 中田議員。 ◆21番(中田清介君) ジェンダーの問題については、答えにくい問題です。部長がそう言われるからそうですねと言ってもできないんだろうなというふうに思うのは、この問題の根深さです。 かつて、農業委員会の女性委員の選任についても、議会の選任枠を借りてまでも女性農業委員を育てたいということがありましたけど、なかなかうまくいきませんでした。やはり社会全体がその気にならないと変えていけないシステム、文化、その土壌というものがある限り、なかなか難しい問題なんだろうなというふうに思います。 先般の新聞紙上でも世界の女性政治家のリーダー像というものについて書いてございました。ドイツのメルケルさんは、コール前首相の抜てきで東ドイツから選ばれた女性の政治家。選ばれたことによる抜てきによる発奮により、自分が努力してあそこまで実績を上げられたというような記述もございました。ほかのヨーロッパの社会では、もう何%ぐらいは、半数ぐらいは女性が政治家になって当たり前だというような土壌をつくったというようなことも書いてございました。 高山市の問題として、社会参加とか政治参加の問題が非常につまされております。もっとそうしたことに理解のある市民社会をつくっていくこともSDGsの1つの責務であります。このことの抜てきということについて言えば、國島市長の抜てき、そうしたもので発奮される女性職員もみえるでしょう。ただ、一番の大きなところは、そうした社会が、女性の社会参加、政治参加に対して異議を唱えない、喜んで迎え入れる、そうした社会づくりが望まれているんだろうなというふうに思っております。この辺のところについては、行政にどうのこうの言って頼るものではありません。私たち自身が変えていく問題でありますので、今後ともそういうところには留意しながら、我々議会のほうも、議員活動についても、その成果を発揮できるような活動に邁進しまいりたいというふうに思っております。 5番目で高山駅西地区のまちづくり構想について触れておりますけど、これはお答えは要りません。SDGs計画の中でも盛り込んだ高山市駅西地区のまちづくり構想というものは、それなりの広がりを持って、我々のまちづくりの基盤として整えていかなければならない問題であると思っています。 駅西地区のまちづくり構想についても、やはり観光まちづくりが基本であります。我々のまちが目指すところは、観光まちづくりです。文化、商業政策と都市計画の連動による大きな数のお客様を迎え入れるための基盤を観光まちづくりに置いているわけですから、こうした駅西地区まちづくり構想についても、そのような観点から大局的に幅広い視点で見ていく必要があるんだろうというふうに思います。 今回、駅周辺の6施設で指定管理の構想が出てまいりましたけれども、一番欠けているのが大局的見地です。総合的政策の見地です。その辺のところをうまくまとめながら指定管理に移行できていければいいんですが、残念ながら、今の状況で6施設でどうやったらあそこにうたわれているようなにぎわい創出ができるのか、この関連づけがきちんと説明されてきておりません。そういうような観点から言えば、じっくりと取り組んで、そうした構想を打ち上げて、市民が納得可能な方向で施策を発表していただきたいなというふうに思っております。 今回は、SDGsに関連して少し見解をお聞きしましたけれども、大変大きな問題です。一長一短で全てが解決できるような問題でもありません。ただし、一生懸命取り組むことによって未来が打開できるということは確かであります。この辺のところをもう一度行政の皆さんにお願いをしながら、今回の質問を閉じたいと思います。 ○副議長(伊東寿充君) 以上をもって、中田議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(伊東寿充君) 休憩します。     午後1時53分休憩  ――――――――○――――――――     午後2時05分再開 ○副議長(伊東寿充君) 休憩を解いて会議を続行します。  ―――――――――――――――― ○副議長(伊東寿充君) 次に、松林議員。   〔4番松林彰君登壇〕 ◆4番(松林彰君) 通告に基づきまして、3項目、1項目め、県営広域農道整備飛騨東部地区整備事業について、2項目め、インボイス制度について、3項目め、新型コロナウイルス感染症対応についてを一般質問させていただきます。 最初に、飛騨東部地区、これは1期から2期でございますが、県営広域農道整備について伺います。 事業期間、これは昭和63年度から令和3年度、おおむね34年間というふうに聞いております。事業主体は岐阜県で整備が進められまして、令和3年度、5月に久々野町新大坊橋の完成により、また、本年度中に最終整備を実施して完了するということを伺っております。この道路につきましては、当初計画段階での費用対効果として整備予定事業がありましたが、その進捗状況と今後の利用促進につきまして何点か伺います。 1点目。昭和63年から令和3年、先ほども言いましたが、この34年間という事業の概要は、そして、中部縦貫自動車道、国道361号や41号等が整備されたことによりまして農家自身も短時間での出荷が可能となって現在利用度が極めて少ない状況だと思われていますが、当初計画の見直し等は、これまで、この34年間の中でどのようにされてきたのかお伺いします。   〔4番松林彰君質問席へ移動〕 ○副議長(伊東寿充君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) まず、最初に、事業の概要でございますが、議員も少し触れられましたが、県営広域農道飛騨東部地区は、昭和63年に着手され、岩井町から久々野町大坊地区の全長約22キロ、全幅員7メートル、総事業費およそ189億円をかけて本年5月に全線が開通しました。 当初、この路線は、国営飛騨東部農地開発事業で整備する大型営農団地と集出荷拠点施設及び市場とを結ぶ基幹道路として計画されました。その後、飛騨地域にある農業協同組合の広域的な合併を踏まえ、平成11年に当初に計画していた集出荷拠点施設等の統廃合による施設配置計画を反映した見直しが行われ、現在に至っています。 ○副議長(伊東寿充君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) ただいま、平成11年度に見直し、拠点施設等においての見直しをされたということですが、平成11年度、既に22年ほど前だと思います。施設の配置の見直しと、そういった部分もさることながら、今年度完成ですが、基本的には、もう随分できてしまっている部分がたくさんありました。この基幹道路とのアクセスとかのそういったネットワークに際するような見直しもあるべきだったと私は思いますけど、今、こういった状況になって、特に合併前で、いろいろな形で違う町村の意見等も反映されてきたと思います。これは仕方がないと思いますけれども、さらに少しだけ詳しくお伺いします。 2点目としまして、現在、既に市道認定されている部分はどのくらいあるのか。また、既に林道として活用されている部分もあります。この中で、関連する林道で廃止になった延長と、現在の維持管理費は、来年度には市に財産譲与されるというふうに思っていますけれども、この道、大変高規格な道路です。3種4級、歩道があれば国道並みの道路でありますが、こういった場合において、今後、市の管理区分と年間にかかります維持管理費等の見通し等、お伺いします。 ○副議長(伊東寿充君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) まず、最初に、市道認定の範囲ですが、岩井町の市道大島滝線交差点から大八賀川に架かる島橋の先の区間で、約257メートルです。 また、本路線整備で廃止になった林道は、久々野地域で1路線、約2キロ、朝日地域では2路線、約2.5キロで、合計3路線、約4.5キロの区間です。 次に、維持管理費ですが、県営事業で整備された区間については、県と市との間で土地改良財産管理委託協定を締結し、市が農道として維持管理を行っております。令和2年度は、道路法面の草刈りなど、道路清掃業務で約97万円を支出しております。 今後ですが、県から市への財産譲与は、土地改良財産の農道として譲与されるため市も農道として受ける予定としており、年間の維持管理費用につきましては、当分の間はこれまでと同程度と見込んでおります。 ○副議長(伊東寿充君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 既に完成された部分は、34年のうち、もう数十年たっているのではないかと思います。今、年間97万円ほどの軽微な草刈り等の維持管理費というふうにお聞きしましたが、ある意味では、これからは抜本的に、いや具体的に補修整備等も含めて検討がなされるべきであるような箇所もあるのではないかと思いますので、できてしまった以上は維持をしっかりしてもらわなければなりませんし、大変でしょうけれども、そういった部分も効率的に計画していただきますようお願いをいたします。 続きましてですが、道路というのは大変アクティブなものであり、新規に開設されることは、多様なメリットを多様な方面にもたらし、私は望ましいことだと思っています。ただ、いかんにせよ、この34年間という流れの中では、計画自体が当時のバブル期のある意味では負の遺物のようにも感じられます。これから現実的に今後の展望というものは大変分かりづらく思っています。それで、肝腎なことですが、この事業の費用対効果の検証をどう捉えているのかという観点から、3点目としまして、当初計画の中での費用対効果を図るための施策内容等は、どのようなものだったのでしょうか。また、譲与後の農業振興等、利用促進を図る具体的な施策と見解についてお伺いします。 ○副議長(伊東寿充君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 最初に、当初計画では、費用対効果を算出する対象施設として、ライスセンター、カントリーエレベーター、野菜集出荷施設、水稲育苗施設、養蚕飼育場、堆肥施設などがありました。その後、先ほどお答えしたとおり、県では平成11年度に施設の状況に合わせた計画に変更しました。具体的には、ライスセンターが5施設から4施設へ、カントリーエレベーターが2施設から1施設へ、野菜集出荷施設が8施設から4施設へ、水稲育苗施設が6施設から4施設へ、養蚕飼育場が3施設からゼロへと変更がされました。施設の統廃合による機能の充実や主要道路へのアクセス向上などにより、費用対効果は確保されている状況です。 譲与後につきましては、飛騨東部農地開発の営農団地間を結ぶ道路、団地と集出荷施設を結ぶ道路、産地と主要道路を経由して消費者へと結ぶ道路など、農産物の生産や輸送の両面での利用促進を図るほか、今後、農業関連施設の整備を計画する場合は、当路線の効率的な輸送網を考慮した配置等についても検討してまいりたいと考えております。 さらには、森林施業における林道としての利用、また、沿線住民の方々の通常の生活道路としての利用や、国道や県道、市道の通行止めなど有事の際の迂回路としての利用も想定されるため、今後、多様な利用について期待しているところです。 ○副議長(伊東寿充君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 多様な利用に期待しているという答弁でございましたが、私のほうが期待をします。冒頭にも申しましたが、本当に高規格の道路であります。幾ら合併前の計画とはいえ、今、朝日、久々野におきましても過疎地域の指定も受けております。こういった流れの中で、人口の減少はどこへ行っても同じですのである程度は仕方ありませんけど、いわゆる交通ネットワークをしっかりと連携するためにも、もっともっと、残念ですが、いろいろな検討がされてもよかったのではないかと思います。ただ、今、できているものです。本当に、これは地域の意見を十分考慮されてきたのか。特に、地域営農者の方々の意見が私はあまり聞き取られていない感じに思われます。多大な予算と34年間の事業展開を図られた関係者の皆さんは本当に大変な苦労があったと思いますが、今後は、言いましたように、暮らしの利便性を高めるために、こういった高規格な道路を維持管理するにも大変ですが、より市道との連携も図ったり、いわゆる過疎対策の一環としてもそういったことも検討されてもいいと思いますし、都市基本計画の中にもいろいろな形でプランがあります。内環状線、外環状線。外環状線においては図は描いてありますけど、基本的にはどこなのか分かりません。あったらいいなというニュアンスだと思いますけれども、いわゆるこういった今まで合併する前から計画されてできたネットワーク、これは、もう新しい道を造るという部分もありますけれども、連携を図るためにどういった計画をなされていくのか、本当に大変期待をしますし、いろいろな計画があると思いますけれども、この道、単に農道とは申しましても、いろいろな使い方がございます。そして、道路は別にそんなことで区分されるものではありません。ただし、大変すばらしい道ですので維持管理もそれだけかかるということが頭にはありますけれども、地域から地域の移動に市道としてつなぐことも考えればもっともっと利便性が高まると思いますし、改めた形での外環状線の位置づけも本当はお願いしたいんですけれども、それよりも、こういった道をいかにつなぐかというそういう全体計画ができるのは高山市の皆さんです。そういう中で、いろいろな計画がありますけど、眠れる財産はもっと有効に使うべきだと思いますし、大坊の橋ができたことによって大坊地域の人は利便性が高まった、一部そういうことは聞いていますし大変いいことであります。ただ、本当に22キロという長い区間、そして、まだまだほかにも整備された農道もたくさんあります。規格的には市道以上のような道路が大変あります。しかしながら、利用度は極めて低い。これは、もっともっと違う形で、人口減少にもなっていく時代ですが、利便性を高めるにはこういったものを有効に検討していただく必要があると思いますので、さらなる農業振興も大切です。いろいろな意味で、道路の活用に対しまして格段の施策を求めまして、この質問は終わります。 続きまして、2項目めのインボイス制度について伺います。 国の政策ですが、2019年10月の消費税率の引上げと軽減税率の導入に合わせまして、請求書等保存方式に代わり導入されたのが、区分記載請求書と保存方式で、具体的には、請求書類と帳簿、それぞれに軽減税率対象品目についてはその旨の記載が求められ、また、請求書類には税率ごとの取引金額の合計の記載が求められるようになっています。これが、現行制度に代わって国が2023年から導入される適格請求書等保存方式、通称、インボイス制度と認識しています。これは受付が今年の10月1日からということで税務署でも啓発はしていますけれども、このことに対しまして、これは、いわゆる課税事業者であるか否かは、今度から登録しますとウェブ上でも公開されていく予定だと聞いています。国の目的は取引におけます消費税額の透明化を図ることだと思いますし、これは税の公平性からも当然だと思っています。ただ、1点目としては、市は、この制度における小規模事業者の影響をどのように捉えているのか。また、市内におけます対象事業者数等の把握はどのようにされているのか、お伺いします。 ○副議長(伊東寿充君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) インボイス制度の開始に伴いまして企業間の取引においては消費税額を控除できる課税事業者からの仕入れが積極的に行われることとなりまして、課税売上高が1,000万円以下の小規模な免税事業者の取引が減少するなどの影響が懸念されております。 このインボイス制度は、令和5年10月より最初の3年間は免税事業者であっても仕入れ税額相当額の80%を、また、その後の3年間は仕入税額相当額の50%を控除対象とする経過措置が講じられること、また、免税事業者であっても事業者の希望により課税事業者に移行できることなどから、制度導入による影響は緩やかに推移するものというふうに捉えております。 なお、市内における免税事業者数は、市では把握することができませんが、特に事業者間のBtoBの取引が多いと見込まれる建設業でありますとか製造業、卸売業などを営む小規模な事業所、また、企業に成果物を収めるフリーランスなどにおいては、インボイス制度の影響を受けるというふうに考えております。 ○副議長(伊東寿充君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) やはり対象事業者数は分からないということは、再認識しました。 2点目です。消費税が免税となるケースには、先ほども言われましたように課税期間の売上高が1,000万円以下となるような小規模な事業者は、仕入先が免税事業者の場合、仕入税額控除は認められないことになり、最終的には結果は課税事業者にならざるを得なくなるというふうに私は考えています。問題は、ここら辺なんですけれども、今のこのコロナ感染症による経済が本当にもう萎縮する中で、小規模事業者の方たちは、まずもって経理業務のさらなる負担が生じてきます。必ずなってくると言われています。やはり会計士等を入れたり、そういった経理ソフトもクラウド経理とか会計士を通じたような流れの中での対応を余儀なくされていくのではないかということが言われています。そうなりますと、経過措置期間が設けられていますのである程度は穏やかには推移することと思いますけれども、私は、やはり、市としての周知、そして、また、啓発の促進、そして、次の段階では、いろいろな意味で経理的な部分に対しても手当てが必要なのではないかと思っていますが、まずは、その周知啓発の促進についてお伺いいたします。 ○副議長(伊東寿充君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) インボイス制度は、小規模な事業者に限らず、市内の多くの事業者において対応が必要となることから、幅広い周知が必要であると考えております。 既に国税庁では、インボイス制度の電話相談センターの開設や所轄の税務署における個別相談なども実施されておりまして、高山税務署においても、10月以降に複数回の制度説明会の開催が予定されています。 市としましても、これらの説明会や個別相談体制などについて市内事業者の方々へ広く周知するとともに、引き続き商工会議所や商工会、よろず支援拠点等の支援機関と連携を深めて、説明会や相談機会の充実に努めてまいります。 ○副議長(伊東寿充君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) この制度は、先進的にはヨーロッパのほうでは、現在生き残ってみえるのは、やはり免税を放棄されて課税事業者を選択した小規模事業者の方だというデータが出ていると言われています。先ほども申しましたけれども、これは税の公平上、私は当然のことだと思いますけど、どれだけの小規模事業者の方、対象者がいるか分かりませんけれども、特に、そういった方たち、課税事業者になれば、当然利益が減少します。そういうことも踏まえてこれを対応していくためには、乗り越えていかなければならない問題として、経理業務、そういった部分でのリスクはどうしても避けていけないと思いますので、今も説明会や相談機会の充実に努めていきますという答えでしたので、どうか今後とも、10月1日からでございますが、周知と、また、今後はこういったことに対して格段の政策を望みまして、この質問を終わります。 続きまして、3項目めの新型コロナ感染症対応について伺います。 感染拡大に伴いまして、8月27日から9月12日まで、非常事態が発令されています。これは、最初は、県では自宅待機ゼロを最重要政策としていたにもかかわらず、残念ですが、9月6日時点で県内自宅療養者261人、宿泊療養施設入所者は888人にも上っています。軽症の場合は自宅療養でとの判断がされてはいますが、マスコミ等、東京都のほうでは、若年層の軽度者が急変しても入院することなく死亡するケースも多発していると毎日のようにどこかで聞いていますが、高山市におきましても、若干減りましたけど、この非常事態宣言中にもかかわらず、まだまだまちの中は閑散としていますが、他県ナンバーの方が多く見られている状況です。大変ありがたいことですけれども、今後も感染拡大が懸念されることを思っています。 自分、3月、6月議会にも質問を繰り返しさせてもらいました。その中で、結果としましては、特効薬が出るかワクチン接種の推進と感染防止の徹底しか、方向性しか生き残っていく道がないのかなというようなことが見いだせませんでしたけれども、まさかその時点では思っていませんでしたけれども、実際この飛騨圏域でも自宅療養を余儀なくされているような中、今、市民がそれぞれ考えなければならないことは、いかにして自宅療養するかと、本当にどういうふうに取り組んでいくのか、それしかないと思っています。大変困惑しています。あとは祈るしかないのではないかと、そんな思いです。 そこで、1点目としまして、自宅療養をするということは、当然、生活支援や急変時の見回りが放置される可能性があります。ホテル宿泊を拡大できないのか。また、医療体制、看護体制のほか、血中の酸素濃度測定器、パルスオキシメーターの貸出しや生活支援が必要になりますが、市はどういった後方支援を考えているのかお伺いします。 ○副議長(伊東寿充君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) お答えさせいただきます。 基本的には、感染者に対する対応につきましては県が全面的責任を持っていく、私どもはそれをフォローしていくと、そういう立場でございます。そういう中において、お話がありましたように、岐阜県では8月21日から重症化リスクの低い患者の方から自宅での療養を開始されてみえる。これまでは岐阜県モデルということで自宅待機者はなしにするというのが方針でしたけれども、それにはとうに及ばず、病床が逼迫してそういう状況になってきたというのが現実でございます。 これに先立ちまして県は、岐阜市や県の看護協会と一緒になって自宅療養者支援チームというものを設置されまして、看護師などによる定期的な体調の確認、あるいは、急変時に対応できる24時間の相談窓口の設置、そして、健康フォローアップ班というものをつくられまして、パルスオキシメーターや体温計の配付、連絡途絶者への安否確認などを行う現地対策班というようなものも合わせてつくりまして、自宅療養のための必要な対応をされています。もちろん、必要な食事、食料、あるいは生活必需品を配付する食料支援班というものも設置されておりまして、自宅療養者の支援を行っておられるところでございます。 なお、県は、自宅療養者の対応として、パルスオキシメーターや体温計は各2,000個を確保してみえるということでございます。 これまでのところ、当飛騨圏域では自宅療養されている方はいらっしゃいませんけれども、圏域内で患者がさらに増加したり、あるいは、宿泊療養施設の対応能力を超えるようなそういう場合で自宅療養の対応が必要となる方が出てきた場合には、県が、今、申し上げましたような支援チームを活用されまして対応されますけれども、高山市も積極的に協力してまいります。 また、ほかの圏域よりも面積が当飛騨地域は広大でございます。地域医療の体制が脆弱な飛騨圏域で自宅療養者に対する支援を行っていくことは医療従事者などの支援スタッフの負担も大きくなることから、さらなる宿泊療養施設の早期確保について県に要望を、今、行っているところでございます。 県におきましても、今、宿泊療養施設の確保に向けて準備を進めておられます。 高山市といたしましても、早期の次の宿泊施設の確保に向けて積極的に協力をしてまいります。 ○副議長(伊東寿充君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 大変明るい話も聞かせていただきました。ただ、いま一度ぴんと来ていないのは、こういった健康フォローアップ班とかおっしゃられましたが、こういうのは、一体具体的には今後どういった形で、今回、私は、今、聞きましたけど、もっともっといろいろな角度から、特にホームページ等、そういったものを通じまして、2,000個のパルスオキシメーターの貸出しとも聞いていますが、具体的に高山の看護師を中心とした形で対応されてくるとは思いますけれども、またこれも大変ありがたいことだと思いますが、もう少し、行く行くはそういったことも広報等でしっかりと啓発していただければありがたいなとも思います。 2点目ですが、市内では往診の医師は限られていると聞いています。数人の医師だけでの対応が可能、これは自宅療養というような形になった場合でございますが、可能なのか。また、高山市では病院の医師は往診できないと聞いています。こういった形で、往診体制や訪問看護、生活支援をするスタッフ確保の検討ということについて、もう少し具体的にお伺いしたいと思います。 ○副議長(伊東寿充君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕 ◎市民保健部長(橋本宏君) 先ほどの御質問の中で、自宅療養されたときにどのような対応かというお話がありました。 県のほうでは、自宅療養にかかられる方に対してはしおりをお配りして、それで、どのような対応をされるのかということを説明されてみえます。そのしおりについては、県のホームページでも公開をされているところでございます。 そういった中で今ほどの御質問でございますが、先ほど市長のほうからお答えいたしましたように、自宅療養に対する支援につきましては、県のほうで自宅療養者支援チームというものを設置して対応されております。 自宅での療養となられる方は、無症状や基礎疾患のない、年齢が若いなどの重症化リスクの低い方ということになります。 支援チームの1つの班であります健康フォローアップ班におきましては、看護師等のスタッフによる定期的な体調確認を実施いたしましたり、急変時でも対応できるよう24時間相談窓口による相談体制を整備されております。そういった中で体調確認や窓口への相談内容によって症状悪化を確認した場合には、病院や医師会、看護協会、薬剤師会などと連携をして、電話診療や往診、訪問看護、薬剤配送、それから、外来診療や入院措置などのそれぞれの症状等に応じて適切な医療を提供することとなります。 飛騨圏域におきましては、先ほども申し上げましたように、これまでのところ自宅療養者はいらっしゃらないということでございますが、自宅療養者の支援に向けて、県の支援チームに必要なスタッフの確保につきましては、県から県医師会などの上部団体を通じて各圏域の各団体に対して協力の要請がされるなど準備が進められているところでございます。 市といたしましても、この県の支援チームの活動に対して協力をしてまいりたいということでございます。 ○副議長(伊東寿充君) 松林議員。 ◆4番(松林彰君) 最初からそうでございますが、県を中心にこういった内容で対応しているということを認識しました。 このコロナ感染症を克服した国は、いまだありません。世界的な危機状況が続く中ですが、国民一人一人が実践しなければならないことは、予防対策、これが徹底できない大変切ない状況の下だと思いますけど、数日前の新聞に、福井県におかれましては、まだベッド使用率50%未満のところでございますが、野戦病院、軽傷者100床を計画整備される予定だとでかでかと載っておりました。これは大変画期的なことだと思います。単なる自治体で野戦病院を運営していく。これはもちろんその自治体の医師会の多大な協力がなければならないことだと思いますけれども、そこまで危機管理体制として考えてみえるのかということを思いますと、大変有効な施策だとも思います。 岐阜県、高山市という飛騨圏域という状況の部分は私では分かりませんけれども、どうか今はまだ自宅療養者は出ていません、ありがたいことです。ただ、もうクラスター、2つか3つ発生したら、それはどうなるか分からない。毎日のごとく感染者がメール等を通じて入ってきます。退院した人ももちろん入ってくるんですけど、どうしても感染感染という言葉の中で暗い思いをする日々です。いろいろなことはありますが、今回の一般質問、市長の今のようなメッセージ、私はいただきましたし、どうかこの暗い状況の中で、もう絶対大丈夫だよと、高山市は、もう7人以上の死亡者は出しませんと、そういったぐらいのどうか安心感を持てるような格段の施策を求めまして今回の私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(伊東寿充君) 以上をもって、松林議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(伊東寿充君) 休憩します。     午後2時44分休憩  ――――――――○――――――――     午後2時55分再開 ○議長(中筬博之君) 休憩を解いて会議を続行します。  ―――――――――――――――― ○議長(中筬博之君) 次に、松山議員。   〔16番松山篤夫君登壇〕 ◆16番(松山篤夫君) 皆様、お疲れさまでございます。 今年の3月、私の大好きだった俳優の田中邦衛が亡くなりました。田中邦衛と言えば、『北の国から』です。つい最近、その本を書いた倉本聰の古本を目にしました。こうあります。少し読ませていただきます。 谷は眠っていた。富良野岳の山麓。かすかな沢音と虫のすだきだけが、荒れ果てたその谷を支配している。此処へ来る途中で道は途絶えていた。開拓者が、この土地を見捨てて去ったのは、既に十数年前だと聞いていた。以来、この谷は眠り続けている。廃屋に近づき中をのぞいた。土壁は、既にほとんど崩れ落ち、窓のガラスは全く割れている。抜け落ちた床の上に古いランドセル、半壊した壁にクレヨンの書き置き。寂しいときは、あの峰を見た。廃屋の情景はいつもいたたましい。とにかくこれをまず直すことだな。これを直して住めるようにしよう。誰も答えず、しんと黙っていた。北の国からというテレビドラマを書いた。少年と少女は、その暮らしの中から、都会の生活に欠落した何かを確実に身につけて成長していく。 6月議会に引き続きまして、9月議会も過疎化の問題についてから一般質問させていただきます。 最初に、ウッドショックということについてお伺いさせていただきます。 ウッドショックという言葉が、今も世間に広がっています。世界的な木材価格の高騰のことです。 今年に入って、日本の林業は、木材産業は、アメリカ発のウッドショックに振り回されています。 しかし、アメリカでは、6月に木材価格が暴落しました。前年比6倍以上に高まっていた価格が、6月に前月の半値以下に落ちました。アメリカが暴落したとはいえ、まだ、前年の2倍の価格です。 一方で、世界中で木材が増産され始めたから、もうすぐ市場でだぶつくという予測もあります。値段の上がり下がりは予測不可ですが、問題なのは、ショックを唱えているのは、主に製材や建材メーカー、そして、住宅を中心とした建築業界だからです。価格高騰に悲鳴を上げているのも、こうした川下側。林業など森林地域の視点に立つと、どこか遠い世界の出来事感があります。 しかしながら、ウッドショックが起きたからこそ見えてきた点もあります。 一般に木を使う建築と木材を生産する林業は密接に関わっていると思いがちですが、日本の林業界と建築業界は、驚くほどつながっていません。大体、建材の多くは欧米からの輸入物だし、製材や集成材の工場でも輸入木材を原料とするところは少なくありません。鉄骨、コンクリート、合成樹脂など非木材も数多く、国産材は、数ある建材の一部に過ぎない。だから建築業界は、国産材の世界を知らないと指摘されています。 そして、林業関係者は、切り出した木材の行き先や使い道に関心を払いません。木材市場か、せいぜい製材所まで。その後、どのように丸太が加工され、どこの何に使われるか知らないし、海外の木材事情に興味を持たない。 日本では、山主、森林所有者と伐採事業者とは別であることが多く、そのため、業者と山主が契約しないと切れない。国有林なら入札も必要です。現場の機材や人員の確保、行政への伐採届の提出なども行わなければならないし、補助金が出ないと仕事をする気のない事業体も多い。流通も複雑で、通常は準備だけで3か月以上かかるとされます。つまり、増産に動き出したのはつい最近なのです。ちなみに、伐採搬出された原木を製材して、乾燥などを経て建材になるのは、さらに先です。 しかし、建築工務店などにこのような山の事情を知っている人は少なく、自分が建てる家の木材がどこから来ているのかさえ興味がなく、木材が足りないんだから、さっさと切って出せと思うだけです。 なぜ、両者の間に、これほど断絶があるのか。 木材を生産する側は、自分の切り出した木を高く買ってほしい、使う側は安く買って高く売りたい。また、安定供給してほしい。こうした対立関係があり、どうしても疑心暗鬼になりがちなのだ。 さらに、山主と伐採事業者の間にも不信感があります。どうしても業者は、安く契約することに腐心するからです。 今後の木材の値動きや供給量がどうなるかまだ分からないし、しばらくは不安定さを増しそうです。建築業界も輸入建材が足りないから国産材にシフトしかけていますが、本音のところは、国産材は使いたくないと嫌う声をよく耳にします。 仕入れの問題だけではありません。例えば国産材の過半を占めるスギ材は、強度の点で梁とか土台の横架材に向かない。そしてヒノキも米マツよりは弱いし生産量も少ない。大体、建築では集成材に需要が移っていますから、木材は、あまり好まれない。無垢だと反りや割れが出やすく、クレームが多くなるからです。そうでなくとも、樹種が変わると製材や乾燥の方法も調整し直さなければいけないし、建築も設計段階から寸法などの変更を迫られます。 では、どうすればよいのでしょうか。 やはり、両者の断絶を埋める努力が必要です。建築工務店は、木材のふるさとである山に足を運ぶべきだし、林業家は製材工場や建築現場を訪ねて、どんな木材が求められているのか知るべきです。何よりも、日常的に情報交換する場があってしかるべきです。 このような状況下で、木材価格の乱高下に惑わされない経営をしているある建築工務店は、林業家、製材所、建具、家具会社と組んで、JAPAN WOOD PROJECTを立ち上げています。これは住宅建築の予定をあらかじめ山側に伝えて、木材生産を計画的に行うものです。そして、大径木から柱や梁などの構造材だけでなく、内装材や建具、家具用に回すなど、1本の木材を無駄なく使うシステムがあります。川上側から川下まで年間計画で動くので、目先の仕入れや価格に左右されません。このシステムは、昨年のグッドデザイン賞を受賞しています。ウッドショックの影響を受けていない企業体も少なくなく、そこで気がつくビジネスモデルは、事前に木材の購入を長期契約しています。そして、山元の木材生産現場と工務店などの木材を使用する側が提携して、計画的に木材調達と建設を進めています。つまり、木材のサプライチェーンを押さえています。必要とする木材の量や購入価格を年間で把握して発注するから、ウッドショックのような突然の価格高騰にも影響を受けません。山側も自分の山の木がどこの何に使われるか知らないまま伐採して市場に出すのとは違って、具体的な使われ方を知り価格も定まっていれば、機材や人員の配置なども計画的に進められます。つまり、林業、建築、双方の経営が安定します。計画的な木材生産と消費を行うためには、ウッドショックを改革のチャンスと捉えて、川上、川下が連携するシステムを構築して将来に備える必要があります。 ここで、市のこのことに対する御見解をお伺いさせていただきます。   〔16番松山篤夫君質問席へ移動〕 ○議長(中筬博之君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) お答えさせていただきます。ただいま、昨今の木材現状、それから、あるべき姿についての御提言を伺いました。 ウッドショックにつきましては、新型コロナウイルス感染症に起因して海外の木材需要の増加によりまして外国産材の輸入が厳しくなり、国産材の需要が増加して価格が高騰しているものでございます。 市内の市場においても、スギやヒノキの建築用材を中心にコロナ禍前の通常価格と比較いたしますと、ヒノキについては1.6倍から2倍、スギにつきましても1.2倍から1.4倍になっているというふうに承知をいたしているところでございます。こうした外的要因に影響されないように国産材が安定供給される仕組みを作ることは、SDGsの面からいっても、大変重要であると考えております。そのためには、国産材の利用促進や林業担い手の確保、育成、また、今、御紹介をいただき御提言をいただいた川上から川下、素材生産から製品販売までの関係者が連携する、いわゆるサプライチェーンの構築が必要である、同意見でございます。 現在、岐阜県木材協同組合連合会におかれましては、川上の木材生産から製材、プレカット、さらには、川下の建築に至るまで、各事業者の連携を図ることによって木材の価格及び流通量の安定化を目指すサプライチェーンの構築が検討されているところでございます。市といたしましても、100年先の森林づくり構想があります。その立場から、市産材の安定供給と、市産材の利用促進を図っている、そういう立場でございますので、そうした仕組みの構築に積極的に関わらせていただき、そして、関係事業者や関係団体の方々の御意見や、今年、任命をさせていただきました林業振興アドバイザーの助言などを基にいたしまして調査研究をしてまいりたいと考えております。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 御答弁ありがとうございました。 今までのことなんですけれども、残念ながら、これまでの林業、木材産業、そして、建築業界は、いずれも自らの経営情報を隠しがちで、手の内をさらすことを嫌がった。ですけれども、そのため双方が疑心暗鬼になって計画的な生産や建築ができなくなる。結果として、今回のウッドショックのような海の向こうから来た波に翻弄されてしまったわけです。 今後、ウッドショックがはじけて木材価格も下落するかもしれません。それに備えるためにも、川上と川下の提携を進め、木材のサプライチェーンを安定させるべきだと考えます。この点の努力を、ぜひ強くお願いしたいと思います。 次の質問に入ります。 土砂災害と今後の森林管理の在り方についてお伺いいたします。 異常気象が日常化しつつあることを考えれば、想定外だったは通じなくなりつつあります。近年の豪雨、台風災害では、災害が発生しやすいとされていた幼齢林だけでなく、一見豊かな壮齢の人工林においても山地崩壊が発生する事例が認められています。 また、0字谷の谷頭部、谷頭というのは、谷の頭です。谷頭部、脆弱な地質、侵食されやすい土壌、森林を放置された谷間の旧耕作地などの災害が発生しやすい立地環境に、適正管理されていない過密な森林が成樹し、災害が発生していることが分かってきました。 近年、林産地というか山村の過疎化の進行に伴う担い手の不足や、林業収益性の悪化により森林所有者の経営意欲は減退し、適切な手入れの行き届かない森林が増加しております。従来の林業では、林地環境に適した樹種を選定し植栽を行う適地適木が実施されてきました。しかし、適地適木で造成された森林でも、間伐などの施業が実施されていない場合は、過密な状態で樹木の幹は細く、根系は発達不良で不安定な状態で成立しています。 一方、間伐などの施業を行うと森林の根系が発達し、山地崩壊などに対し効果があることが近年の研究成果からさらに分かってきました。すなわち、適地適木という条件以外にも、適正管理されている森林は災害に強いと考えられます。適地適木、適正管理による森林づくりが、災害に強い森林づくりの基本となります。 繰り返しになりますが、森林の土砂災害防止機能の低い森林は、造成された森林が適地適木に従っておらず、間伐などの適正管理も行われていない森林です。不成績造林地とも呼ばれ、土砂災害を想定した場合は注意が必要です。森林を一斉に改変することは問題があるため、中長期の目標を定め、積極的な管理を導入する必要がある森林です。 森林の土砂災害防止機能の高い森林は、適地適木に従い造成された後、適正管理されている森林です。多少脆弱な立地環境でも、十分に森林による土砂災害防止機能を発揮できると考えられます。今後も、針葉樹などの現状の主林木、それを保残する管理、保って残す管理、緩やかに針広混合林に誘導する管理を行うことが望ましい森林です。 間伐は、下層間伐、上層間伐、列状間伐など幾つかの方法がありますが、森林の土砂災害防止機能を損なうことのないよう、対象森林の特性を十分考慮した方法を選定することが望まれます。 6月議会でもお示しさせていただいた、これは、   〔パネルを示す〕宮地の伐採、主伐、皆伐した山林なんですけれども、やはり豪雨があると侵食されて土砂災害を起こしやすい間伐の仕方です。 原則的には今のパネルのような皆伐ではなくて、非皆伐施業、複層林施業、択伐施業が望ましく、伐採時の残存木の残存機能、根系が強力であるためには、長期的な伐採施業がベターであり、一遍に切ってしまうのではなくて、少しずつ時間をかけて切っていく。 また、伐採時や若齢期から壮齢期に林床を、裸地化というか、裸の地面のそういうふうに持っていかないことも重要であり、適地適木、適正管理が求められますが、災害に強い森林、これをつくるための市の方針、市はどういう取組姿勢で臨んでいきたいのか、そこをお伺いさせていただきます。 ○議長(中筬博之君) 東野林政部長。   〔林政部長東野敏朗君登壇〕 ◎林政部長(東野敏朗君) 市におきましては、高山市森林整備計画において、国、県の基準に準じて森林の持つ4つの機能区分に応じ、その機能を維持増進する森林の施業を進めることとしております。 その中で災害保全林につきましては、森林の災害防止を図るために土壌の保全機能の維持増進を図り、長伐期施業や択伐による複層林施業などにより、根系や下層植生を強化し、裸地化を防ぐ施業を進めることとしております。 また、今年度から災害が起きやすい土砂災害警戒区域等に含まれる森林、また、隣接する森林で過去10年以上手入れがされていない森林について、市が森林所有者の同意を得まして直接間伐を行うという重点区域森林整備事業にも取り組んでいるところでございます。 そのほかに、災害に強い林道の整備ですとか治山事業の推進などを図るとともに、森林所有者に森林整備の重要性について再認識していただけるよう普及啓発に努めるなど、県や林業事業体、森林所有者と連携して、災害に強い森林づくりに取り組んでまいります。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 今、答弁いただいたようにしていただくことを強く望むものなんですが、森林環境譲与税の積立てについて、市の監査委員の意見書では、こうなっています。森林環境譲与税は、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発などの森林整備及びその推進に関する費用を使途として平成31年度から譲与されている。市では、この余剰金を留保し、今後の事業費に充当するため、高山市森林環境整備基金を平成31年4月1日に設置しているが、積立額は、令和2年度の出納期間中、積立てを含み1億612万円であり、これまでの譲与税額2億2,485万円の47.3%と高い割合になっている。当年度より森林の災害防止、国土保全機能を早急に強化する観点から、譲与税が当初より前倒し増額されたことや、林野庁からは、基金への積立てを極力行わず事業を実施するよう示されていることを踏まえ、災害対応等を含めた活用について十分検討した上で早期に事業を実施し、100年先を見据えた森林づくりを着実に実施されたい、こう言われているんですけれども、今、御答弁がありましたように、ぜひ森林の適正管理を計画的に着実に進めていただくよう強くお願いしたいと思います。 次に、過疎化対策としての文化芸術祭について質問をさせていただきます。 経済は文化のしもべという言葉があります。芸術を持たない人種や民族など、この世にいるのだろうかと思います。人間は、いつの時代でも、どんな場所でも、創造行為を行っています。食べるのにも困っていただろう縄文時代にも縄文土器という芸術が存在したことを私たちは知っています。 大地の芸術祭、越後妻有アートトリエンナーレのことを、ある新聞は、独自性にあふれる日本の発明品として紹介しました。緑豊かな、しかし、過疎に苦しむ広大な里山地域の森や農地、集落に様々な現代アートを展開していくことを指してのことです。 また、瀬戸内、香川県に直島というアートの島として人々を引きつけている島があります。ここの芸術祭に、アートディレクターを務められた秋元雄史さんという東京藝大の美術館長で教授を勤められた方ですが、この方は、郊外の見本のようなこの過疎の島で何ができるというのか。この過疎の島に、私はひるんだ。あれから30年、美しい緑に包まれた現在の直島に、かつてのはげ山の面影はない。過疎化に苦しんでいた島には、今まで世界各国から芸術祭開催年以外でも年間50万人近い人が訪れ、人口3,000人の小さな町ながら、現在、アートの聖地になっている。一体、直島に何が起こったのか。30年をかけて試みたのは、島の自然の回復と歴史の再発見、その上での現代アートの挿入というキーワードだった。建築とアートの緊張関係を構築していく中で、さらなる展開が見られたのが、家プロジェクトである。古民家を修復して現代アート作品に入れ込んでいく試みは、アートとしての面白さ以上に、過疎の町が生命力を取り戻すその助けとなる意味を持ったとのことです。1件目の古民家をアート作品として作成していくプロセスで、島民125人が参加、1軒の家を直していくプロセスの中で、島の歴史を掘り起こし、コミュニティーの再生を図るというものでした。こういった古民家再生とアート作品の設置を続けていくうちに、直島は徐々に現代アートの島として国内外で認知されていきます。 参加型アートは、何も海外だけで行われているわけではありません。日本の国内でも90年代から盛んになります。地方都市や過疎の農村部を舞台にしたアートプロジェクトで、まちおこしとして、あるいは、コミュニティーの再生の試みとして、日本の各地でよく行われています。よく知られているものに、越後妻有、瀬戸内、別府市などがあり、芸術祭の形を取ったりプロジェクトの形を取ったりして実施されます。その特徴は、過疎化した町や村を現代アートによって活性化させていくというもので、現在では先行した越後妻有や瀬戸内、別府などは、観光地域ブランディングなどで成果を上げていますが、中でも瀬戸内は、アートの島となった幾つかで人口増加や経済の活性化が見られ、アートとまちづくりが結びついた例として注目されています。 アートは、人の心を動かし地域を変えていく力があります。直島のアートディレクター秋元氏は、何よりも私がうれしく思ったのは、このプロジェクトが、過疎化や高齢化により活力を失いつつあった島全体を活性化できたことだ。遠い外国からの来訪者も含め、多くの外部の人たちを島に呼び込み、若者たちを引きつけることができた。文化芸術は、まちづくりの力になり得る、この事実を再確認できたことがうれしい。 高山市は支所地域において、自然と文化、歴史に恵まれています。例えば、高根町には野麦峠があります。映画化もされ、女工哀史の峠として全国に知られています。旧街道を利用したハイキングコースもあり、眺めもよく、時代をたくましく生き抜いた女性たちの歴史の舞台であり、開催場所の1つとしても面白いと思います。 また、北海道、北東北の縄文遺跡が世界文化遺産に正式に登録され、改めて縄文文化に関心が寄せられています。 久々野町には堂之上縄文遺跡、さらに、丹生川町には縄文時代の遺跡38か所が確認されています。板殿地区の縄文遺跡、根方地区の縄文遺跡、根方岩陰遺跡。国府には、村山天神神社の境内地から縄文前期の竪穴住居1棟が完掘されています。 縄文時代の魅力は、想像を膨らませる余白の広さにあると言われています。そして、縄文の精神性は、今を生きる私たちのヒントになります。 また、『古事記』、『日本書紀』に登場する両面宿儺は、漫画『呪術廻戦』に登場しています。その編集長は、弊誌が各地の史跡、郷土の偉人、歴史的逸話を取り上げることは、観光客誘致などの経済効果につながるだけでなく、地元の方の郷土愛を育てることにもなると思うからです。今後もこうした郷土文化掘り起こしのお手伝いをしていきたいと考えています、こういうことを言われています。 過疎対策として、支所地域をメイン会場として選び、自然と歴史にアートを入れる文化芸術祭の開催はいかがなものなのか、市の御見解をお伺いさせていただきます。 ○議長(中筬博之君) 西永市民活動部長。   〔市民活動部長西永勝己君登壇〕 ◎市民活動部長(西永勝己君) 議員御紹介のとおり、地域活性化のため現代アートを活用する取組が各地で行われていることは承知しており、文化芸術の力で多くの人を呼び込むことは、地域活性化の1つの手法であると認識をしております。 飛騨高山文化芸術祭につきましては、これまで、高山市文化芸術指針に基づき文化芸術の主役は市民一人一人という考えの下、誰もが身近に感じ、参加・行動できる文化芸術祭を目指し、市民の皆様から幅広くプロジェクトを募集し、提案いただいたプロジェクトを中心に開催をしてきたところでございます。 これらのプロジェクトは、市内各地で展開されるもので、特定の地域をメイン会場として開催をすることは考えておりません。 なお、高根地域につきましては、地域の皆様が中心となり、旧江戸街道の史跡めぐりや石仏めぐりのほか、毎年春には野麦峠まつりが開催されるなど、地域の歴史文化や景観を生かした取組が進められてきました。また、コロナ禍で計画が遅れているものの、高根地域の風土や人々の営みに着目された民間会社が地域と共に進める映画制作の相談もあるところでございます。 そのほかの地域でも様々な取組がございます。 こうした地域などが主体となり、地域の魅力や資源を生かした文化芸術の取組につきましては、文化芸術祭を始め、様々な機会を通じて活動の促進に取り組んでまいります。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 文化芸術祭をする上で地域の人の主体ということも大事な要素かとは思いますけれども、過疎化対策の中で大事なことは、どう地域のリーダーを育てていくか、どう人材を発掘していくか、ここが大きいポイントになってくるのではないかと思います。そのための教育ももちろん大切なんでしょうが、市も高山市のブランド品、地域ブランド、この市場開拓でANAから人に来ていただいております。越後妻有も、それから、直島も、そして、奥能登の国際芸術祭も、ちゃんとプロフェッショナルの人が入って地域のリーダー的な人に声をかけて、そして、導いています。私もそういう意味で、いい人に来ていただいてリーダーシップを取ってもらう、そういう手だても1つ、てこのようにしてぐっと地域の活性化、アートを通してやるためには必要なのではないかと思うんですけれども、この点、いかがお考えなのかお伺いいたします。 ○議長(中筬博之君) 西永市民活動部長。   〔市民活動部長西永勝己君登壇〕 ◎市民活動部長(西永勝己君) それぞれの地域でどのようにしてその活用を図っていくかという部分につきましては、今ほど議員からもお話のありましたように、いわゆる地域での人材育成、あるいは、その外からの様々な、その知識だけではなくて資源を取り込むというようなことも想定しておくことは重要だというふうに思っています。これまでも、そういった部分で、例えば地域でアドバイザー的なものを活用してというようなお話をまちづくり等でも支援してきたようなところもございます。文化芸術に関わらず、そういったところは進めてまいりたいというふうに思います。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 私たちの身近なところでは、今、奥能登の国際芸術祭が能登半島の先端で芸術祭をやっていますけれども、1年延期されて、奥能登国際芸術祭2020+と名前をつけられているんですけれども、前回、地域再生をかけた壮大なプロジェクトで5億円余りの地元経済効果があったと聞いて驚いておりますけれども、参加された方が、こんなにたくさんの人にここに来ていただけるということに大変な感動を覚えてみえます。今回も海外アーティストはリモート制作を強いられたそうですけれども、住民らが指示を受けながら作品を仕上げていった。注目していきたいと思います。特に今回は、珠洲の大蔵ざらえ、家々の蔵や納屋に眠っていた民具や農具など1,500点を集め、そして、昔のものを展示するだけでなく、どう活用できたのか、活用できるのかを提案されていくというとても面白い試みではないかと思って期待を持っております。 市も、いろいろな地域の自然、文化財、歴史、伝承、いろいろなものを持っています。これからそういうものを活用し、アートも取り入れてどんなふうに変えられていくのか、我々も参加しつつ、そこの成果を楽しみに、いろいろアイデアを出させていただきたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 次に、教育政策についてお伺いいたします。 夏休みが終わり、学校が再開し始めました。感染力の強いデルタ株の影響で、いまだにピークの見えない第5波は、子どもの感染が増えています。感染した子どもの多くは軽症か無症状で感染に気づかないこともあり、再開した学校で子どもから子どもへ、さらには、家庭で子どもから親へと感染が広がらないかと心配です。学校や家庭で子どもたちの様子にふだん以上の注意が必要であります。無理をして学校に行かない判断も必要になってきます。不安を抱いている子どもたちのケアを第一に、早く日常の学校生活を取り戻せるよう地域が連携していかなければなりません。コロナ禍の収束は見通せず、今後も多くの学校で様々な困難や混乱が予想されます。教員への過度の負担を避け、コロナ禍の学校を支えるためには、地域連携が必要であり、コミュニティ・スクールも大きな役割を担います。 コミュニティ・スクールの現況についてお伺いいたします。 ○議長(中筬博之君) 田中教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(田中裕君) 高山市におけるコミュニティ・スクールの取組は、令和2年度に学校運営協議会を設置し、学校の教育目標及び経営方針について協議し、地域と共にある学校づくりを推進しているところでございます。 コロナ禍におきましては、学校行事の縮小、延期、中止など判断に迷う場合に学校運営協議会の方々と相談させていただくなど、学校としての方向性を決める上で、しっかりとした連携協力を行っているところです。 令和2年度の校長のアンケートにおいても、学校を支えていただきありがたい、コロナ対応や行事の変更について相談できて助かったという声が聞かれました。 また、まちづくり協議会や地域学校協働活動推進委員の方が調整役となって橋渡しをしていただき、学校で地域の方がコロナ禍の朝の検温チェックや放課後の消毒作業を手伝うことができるようになっています。 今後も学校はコミュニティ・スクールとして地域と連携を図り、地域と共に子どもたちの生きる力の育成に努めてまいります。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 次の質問に入ります。 抗原検査キットについてお伺いいたします。 政府は現在、高校などに配付されている抗原検査の簡易キットを小中学校にも広げるとのことです。早めの検査でクラスターの発生を抑える意義はありますが、現場の負担は大きく、医療現場でも注意が必要な検査は学校では難しいのではないかとの意見もありますが、市の御見解をお伺いいたします。 ○議長(中筬博之君) 田中教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(田中裕君) 文部科学省から小中学校へ配付される抗原簡易キットにつきましては、原則、教職員を対象としたものですが、児童生徒に対しては、直ちに医療機関を受診できない場合における補完的な対応として、保護者の同意の下、小学校4年生以上の児童生徒にも使用できるとされています。このように今回の検査キットは、原則、教職員を対象としたものですが、学校現場では、教職員が体調不良や発熱などコロナ感染が疑われる場合は出勤の見合せや医療機関を受診することを優先しているため、検査キットを使用する機会は少ないのではないかと思っています。 医療機関を受診できない場合など検査が必要となった際には、検査キットの使用方法の研修を受けた教職員が対応することとなります。一度に多数の教職員や児童生徒が検査するということ自体はあまり想定されておらず、大きな負担になるものとは考えていません。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 抗原検査キットについて、愛知県のがんセンターの病院、感染症内科の医長は、今、御答弁いただいて、あまり数はないだろうというそういうことでしたけれども、防護服もなく実施することはさらに感染を広げるおそれがあると案じているというようなことを述べておられますが、十分感染に対しては慎重に対処していただきたいと、このように思います。 次の質問に入ります。 文科省は、学校で感染者が出た場合に、休校や学級閉鎖を判断するための新たな判断基準を策定。今までは学校が保健所と共同して決めたが、緊急事態宣言の対象地域では保健所業務が逼迫するため、学校だけで判断できるようにした。また、濃厚接触者の調査まで想定されており、これも過重負担にならないか心配されますが、市の見解をお教えください。 ○議長(中筬博之君) 田中教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(田中裕君) 学級あるいは学年閉鎖、学校全体の臨時休業につきましては、文部科学省が本年8月に通知した学校で児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が確認された場合の対応ガイドラインを学校と共有した上でこれに従い、学校と教育委員会が相談の上、可能な限り保健所の見解や学校医の助言をいただき判断することとしています。 また、濃厚接触者等の特定について、保健所の指示を仰ぎながら、陽性が判明した児童生徒等の学校での活動の様子を保健所に報告しています。この報告によって保健所が濃厚接触者と接触者の判断を行いますので、学校には過度な負担とならないよう必要最小限の協力を求めているところです。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 次の質問に入ります。 全国学力テストと同時に実施された新型コロナウイルスの感染拡大による教員への影響に関する文科省の初調査で、教員の業務量が増加したと見る県内の学校は約8割に上り、教員の負担も浮き彫りになりました。消毒作業やオンライン授業の準備など、対応に時間を割かれる状況が伺えました。 教員の業務量増大は、コロナ禍前から指摘されたことでありますが、教員が子どもの心に寄り添うことができるように負担軽減を図ることが必要であると考えますが、市のお考えをお聞かせください。 ○議長(中筬博之君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 高山市においても、コロナ対応に伴い教員の業務量は増加しております。しかし、主に、消毒作業や検温を行うスクールサポートスタッフ、また、主に各種プリントの印刷を行う校務補助員、あるいは、タブレット使用の際に児童や教職員が操作に困ったとき支援する学習指導員などを配置することで、新たに増加した業務に対する教員の負担軽減を現在図っているところです。 さらに、教職員の研修会をオンラインで開催するなど、移動時間の短縮や校務支援システムを導入し、事務作業の軽減にも努めております。 コロナ前の令和元年4月から7月と、令和3年4月から7月までの市内教職員の時間外勤務時間の平均を比較しますと、今年の時間外勤務時間は減少しております。 今後も、教職員が子どもの心に寄り添い、子どもと向き合う時間を確保できるよう努めてまいります。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 次の質問に入ります。 昨年は一斉休校措置の下、休校期間中の学習の遅れを取り戻すために時間割に変更を加えたり夏休みを短縮したりといった臨時の措置が取られました。こうした中で、新しい指導要領の目玉といえる主体的、対話的で深い学びの実践や、小学5年生からの英語の教科化、算数のプログラミングという新機軸がどのように実践されているのか、お伺いいたします。 また、児童が英語を話せるようになったほうがよい、AIが高度に発達する時代を考えれば、子どものときからプログラミングを教えることも重要です。 しかしながら、この在り方は、教えるべき最低基準だけを示すネガティブリストの考え方ではなく、よいと思われることを教える側のキャパシティー、力量を考慮することなく付け加えていくポジティブリストの思考方法です。ポジティブリストの発想の限界が、パンデミックの下で際立ってはきていないでしょうか。学習の遅れを取り戻すことに躍起にならざるを得ない学校現場にとって、ややもすると欲張り過ぎ、この部分はないのか、併せて、御見解をお伺いさせていただきます。 ○議長(中筬博之君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 主体的、対話的で深い学びについては、3年前から教育委員会と高山市の教職員で共同研究を行い、児童生徒が個別に学習する場面とグループや学級全体で学習する場面を組み合わせ、深い学びになるよう市全体で学習環境を整えています。 5年生からの英語については、電子黒板とデジタル教科書の配備、英語免許教員の配置、ALT派遣により、授業者が指導しやすい環境を整えています。 算数のプログラミングについては、正多角形の作図をプログラミングする授業について、2年前から市全体で研究を始めました。現在、学校で持っている、児童1人1台タブレットにソフトを入れ、学習できる環境を整えています。 欲張り過ぎということについては、子どもと向き合う時間の確保について、教育活動や会議を見直し、時間を生み出しています。今年度の高山市の小中学校教育の方針と重点に、対話の重視『個にさらなる光を!』を掲げ、特に子どもと向き合う時間を大切にして、現在、取り組んでおります。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) 子どもと生産性も高め、無駄なものはセットアサイドと横に置いておいて、子どもと向き合う時間を大切にするという御答弁をいただきましたけれども、同じような質問なんですが、最後にお伺いさせてください。 今年5月、公教育はどうあるべきか真剣に考えるときが来ているという文章から始まるある提言がSNSで全国に広がりました。書いたのは、大阪市の公立小学校の校長先生で、教員生活37年のベテランの校長先生です。そして、この先生が、何に怒ったのか。それは、勇気がなかった自分への怒りだったというそういうことなんですが、記事をちょっと要約させていただきます。 新型コロナで子どもたちの権利が軽視されていると感じたことです。昨年は、一斉休校の遅れを取り戻すために夏休みが短縮されました。感染予防のために学校生活を制約されながらも、詰め込まれたカリキュラムを必死にこなしているけなげな子どもから、これ以上余裕を奪ってはいけないと僕は思っていました。そして、何だか学校がおかしいことになっているぞということは、もう20年近く前から感じてはいたんです。何かに追われ続けているうちに、子どもも先生も余裕がなくなり、現場では一人一人の子どもの育ちということは後回しになっていきました。気がつくと、今の時代の子どもではなくてよかったと思っている自分がいたんです。 それで、インタビューの記者が、教育がおかしいと感じるようになったというのはどんな点からだったのですかというそういう質問に対して、週5日制が導入された辺りから変質してきたと感じています。限られた時間で学習内容を習得させなければならない中、チームティーチング、習熟度別学習、キャリア教育が、次々と新しいものが導入される。対応に追われているうちに、また、次のものが下りてくる。最近では、プログラミングと英語です。効果検証などのためにパソコンの前での仕事がどんどん増え、志の高い先生ほど、やりがいを感じられなくなりましたということです。 私は、子どもも先生も余裕がなくなっているという教育の在り方に疑問を感じるものですが、市の教育を引っ張ってみえる教育長として、この大阪市の小学校の校長先生の意見をどのように感じられるのかお伺いさせていただき一般質問を終わりたいと思います。 ○議長(中筬博之君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 大阪市の件のことだというふうにして伺いました。それにつきましては、私も報道による情報のみというところで、詳しい内容については新たなる情報というのは持っておりませんが、そういう段階ですのでそれのことについては特段の判断はできないところですが、個人的には、校長が自分の教育に対する思いを提言していくということは非常に大切なことだというふうにして考えています。教育の現状、あるいは、教育のゆとりについて、私は教育長として、現場の校長と教育の在り方についてはぜひ大いに対話していきたいというふうにして考えております。 ○議長(中筬博之君) 松山議員。 ◆16番(松山篤夫君) これで私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。失礼します。 ○議長(中筬博之君) 以上をもって、松山議員の質問を終わります。  ================ △閉議・散会 ○議長(中筬博之君) 以上で、本日の一般質問を終わります。 残余の一般質問につきましては、明日午前9時30分から続行したいと思いますので、御了承願います。 これをもちまして、本日の会議を閉じ、散会します。     午後3時53分散会==================================== 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  中筬博之               副議長 伊東寿充               議員  西本泰輝               議員  橋本正彦...